先日、同僚が課長に怒られていました。

失敗したことよりも、あいまいな表現で言い訳を続けているのに、課長の怒りはヒートアップ!

「さっきから言葉を濁さないで、はっきりと話しなさい!」


言葉を濁す


ふっと、さっき課長が言った【言葉を濁す】って、どういう意味なんだろう…。

あなたも、何となくわかるけどうまく説明できないって経験ありませんか?

もしも、本当の意味を知らずに使うと、課長に怒られるかも知れません(笑)

そうならないためにも、言葉を濁すの意味や使い方を調べましたので、一緒に見ていきましょう!



言葉を濁すの意味・読み方は?


「ことばをにごす」と読み、意味はあいまいな言い方をする。はっきりと言わないことです。

確かに同僚の言い方は、あいまいな答弁を繰り返すだけでまさに【言葉を濁した】状態。



では、「濁す」とはどういう意味があるのでしょう。

水が汚れたり不純物と混ざり合って、透き通らなくなることを意味します。

他にも、色や音がはっきりとしないで濁音になること、心などが穢れて悪くなることにも使います。

「言葉に混ざり物があると、濁って本来の言葉の意味がはっきりと伝わらない。」

本来、言葉とは透き通ったもののこと。

それほど重要な「言葉」の語源を調べてみましょう。


スポンサーリンク


言葉を濁すの語源とは?

「ことば」は漢字で「言葉/詞/辞」と書き、意味は主に

  • 人が声に出して言ったり文字に書いて表したりする意味のある表現
  • 声音や文字によって人の感情・思想を伝える表現法
  • 言い方。口のきき方。言葉遣いのこと

などがあります。


古来より人は相手とのコミュニケーションの手段として言葉を使ってきました。

時代が進みコミュニケーションから、言葉を使っての知的遊びも発展していきます。

言葉の使い方は、その人の品性が表れると考えられていきました。


ちなみに、「言葉が○○」と言葉から始まる慣用句がたくさんあります。

例えば
「言葉が過ぎる」「言葉尻を捕らえる」「言葉に甘える」「言葉を尽くす」「言葉を練る」「言葉を残す」「言葉を呑む」など紹介しきれないほどです。

これらの慣用句は、言葉をどうやって使っているのかを表します。


「言葉」はコミュニケーションの手段、自分の品格を示す指針、信仰の対象と古来から大切にされてきました。

その「言葉」に不純物が混じり言葉の意味が不透明になってしまうことを【言葉を濁す】と表したのです。

そう考えると言葉を濁した言い方をする人は、言いたいことを見えにくくすることであいまいな伝え方しかしません。

言葉が品格を表すのなら、あいまいな言い方をする人は信用できない人と思われるかもしれませんね。


スポンサーリンク


言葉を濁すの使い方・例文

【言葉を濁す】はどういう使い方をすればいいのでしょうか?

あいまいな言い方をして本当のことを言わない時に使います。

例えば、
「肝心な点については言葉を濁した」や「言葉を濁して質問に答えようとしない」など。


英語ではavoid(避ける)やequivocate(あいまいな言葉を使う)を使います。

avoid(動詞)を使った言い方では、he avoided giving a clear answer.(彼は明言を避けた)。

他にもあいまいな言葉を使うという意味でequivocate(動詞)があります。

変形ではequivocation(名詞)(言い逃れ)、equivocal(形容詞)(不明瞭な)。


濁す

まとめ

間違いやすい類義語で「口を濁す」「お茶を濁す」があります。

  • 「口を濁す」は答えたくないことについて、あいまいにごまかして言うこと
  • 「お茶を濁す」はいい加減にその場をごまかすこと



どちらも言葉をあいまいにしていますが、【言葉を濁す】とはっきりと違う点は、「ごまかして相手に伝えている」ところです。

明確な言い方はどちらもしていなくても、相手を欺こうとしている点で、その人物の信用が低くなります。

補説で文化庁が発表した平成17年度「国語に関する世論調査」では、本来の言い方とされる「言葉を濁す」を使う人が66.9パーセント、本来の言い方ではない「口を濁す」を使う人が27.6パーセントという結果。

意味合いは似ていますが、相手に嘘をついているかをどうかが【言葉を濁す】の使い方のポイントといえるでしょう。


関連記事(一部広告含む)