以前に悪い状況になった時の責任の処遇について「私の進退は社長に下駄を預けている」と上司が言っていたことがあります。
その時は自分がすべての責任を取るという意味だと思っていたのですが…
「下駄を預ける」にはどんな意味が込められているのか知らずにいました。
あなたも何となく聞き流していた言葉の本当の意味を知らないということがあるかと思います。
間違えた使い方をすると人から「言葉の使い方も知らない人だな」と悪い印象が残ってしまうかもしれません!
そうなる前に一緒に「下駄を預ける」の意味を調べてみましょう!
下駄を預ける」の意味・読み方は?
「下駄」とは日本独自の履物の一種ですが、最近は普段から下駄を使っている人の数は少なくなっています。
しかし何故、下駄を預けるを預けることが相手に一任することになるのでしょうか?
下駄を預けるの語源とは?
「下駄を預ける」は、「相手にすべてを一任している」という意味から、相手に信頼されているように感じますが、実は違います!
「下駄」という人質を取っているようなものなので、相手を信頼しているという訳ではありません。
昔の日本の履物はほとんどが下駄や草履でした。
仕事の関係で相手の商店や屋敷に出向く際は、相手が用意した座敷に通されて交渉などを行います。
そうすると相手の屋敷の玄関で、下駄や草履を使用人に預けますよね。
下駄を預けたら返してもらうまでは、帰ることもどこかへ行くことさえもできません。
そのことから預けた相手の心次第で、自分は自由に動くことができなくなることを「下駄を預ける」と呼ばれるようになりました。
下駄を預けるの使い方・例文
下駄を預けるの使い方と例文をご紹介します。
「この企画の指揮を君に任せる」と課長は彼に下駄を預けた。
相手が断れないと分かっていながら、すべて一任する時は「預けた」と過去形にして使います。
【下駄を預ける】を使って相手に伝える場合は「この企画は君に下駄を預けた」と一方的に命令する形になります。
- 仕事などをすべて任せる時(受け身形)
- 自分の待遇を相手に任せる時
課長から頓挫しかけた企画の下駄を預けられ困り果ててしまった。
下駄を「預けられる」とは、相手から断り切れない弱い立場の人が使います。
受け身の「~られる」に変えて、過去形に。
さらに仕事を任せられてどう思ったのか感情を一緒に盛り込むと、どれほど困った状況なのかが伝わってきますね。
今回の責任を果たすために辞表を提出したが、社長に下駄を預けているので今後の処遇はいまだ決定していない。
自分の立場がどうなるか分からない時に使います。
例えば、辞表の提出や解雇など勤め先での立場が危ういときに使われることが多い表現です。
できれば使いたくない状況ですね(;´Д`)
次に、英語での使い方と例文をご紹介します。
leave(動詞)(~任せる、去る、預ける)の過去形left(leaveの過去形)を使います。
文型表現はleaf ~ up to 〇〇 (~を〇〇に預ける、任せる)を使います。
I left it up to him to settle the matter.(その処遇については彼にすべてを任せている。)
matter(名詞、動詞)(問題、事態)を組み合わせて使うことが多いので一緒に覚えておくと便利です。
「~」の間にit もしくは this などの代名詞を入れて、「〇〇」には誰に任せているのか、himもしくはhisの他に担当者の名前を入れて使います。
蛇足にはなりますが、下駄を英語ではgeta(ゲタ)と直訳しても通じますよ!
同義語には「一任する」「すべてを委ねる」「すべてを託す」「丸投げする」「すべてを委託する」などがあります。
まとめ
いかがだったでしょうか?
全てを任せるという割には、信頼をされていない厳しい状況であることがうかがえます。
これからは、上司に下駄を預けた言われても、素直に喜べませんね(^-^;
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