「甘やかすときはとことん甘やかすが、過ちを犯したりした場合は厳しく叱る。」そんなイメージの飴と鞭。

えっ?飴と鞭と言えば、「甘やかすだけ甘やかして、後からどん底へ突き落す」ような人のことを表す言葉でしょ?



飴と鞭
聞いたことはあるけど、正しい意味はあいまいな言葉って意外に多いです。

なんとなくのイメージで覚えているので、間違えた使い方をして恥をかくことも・・・(;´Д`)

よく聞く言葉なので、正しい意味を知って恥は書きたくないですよね?

そこで今回は「飴と鞭」の正しい意味や語源・使い方を紹介します。

まずは、意味と読み方から一緒に見ていきましょう。



飴と鞭の意味・読み方!


「飴と鞭」「あめとむち」と読みます。

意味は、「しつけなどにおいて、甘やかす面と厳しくする面を併用するたとえ。」「一方でおだてと脅しを併用し、人を支配すること。」です。



と、いうことは…
前者の意味が正解だったんですね!

しかし「鞭」なんて言葉を使って、物騒な表現をしていますよね。

どうしてこんな表現がうまれたのでしょうか?

次の章で、言葉の成り立ちを見ていきましょう。


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飴と鞭の語源・由来とは?

「飴と鞭」の語源は、ドイツにあります。
もともとの言葉は「Zuckerbrot und Peitsche(甘いパンと鞭)」でした。

ですから、ここからは「Zuckerbrot und Peitsche(甘いパンと鞭)」の語源のお話を紹介しますね。

この言葉ができたのは、ドイツ帝国時代です(1871年1月18日~1918年11月9日)。

ビスマルク宰相が行った政策がもとになっています。

ビスマルク宰相は社会の貧困をなくすために、「医療保険法」「災害保険法」「養老保険法」の3つの法を制定し社会保障制度を充実させました。

現在では、世界で当たり前のように行われている社会保障制度ですが、当時は斬新で優れた制度だったんですよ。


その一方で、社会主義的な結社を禁止し、集会・出版を制限した「社会主義者鎮圧法」も制定したのです。

つまり、社会の貧困をなくすための社会保障制度「甘いパン(飴)」を設け人々が好感をもつように仕向ける。
そして、「いいこともあるんだから悪いこともある。」と民衆を納得させ、社会主義者を弾圧するための法を施行していたのです。こちらが「鞭」というわけですね。

「鞭」なんて武器で比喩表現しているのですから、相当厳しい法だったんでしょうね。

このように、比喩表現から「Zuckerbrot und Peitsche(甘いパンと鞭)」という言葉がうまれたのです。

そして後に、この言葉が日本へと伝わり、「飴と鞭」と訳されたというのが「飴と鞭」の語源となります。



日本にはまだ「パン」が浸透していなかったために、「飴」に変わってしまったのでしょうね。


飴と鞭

飴と鞭の使い方・例文!

例文を使いながら「飴と鞭」の使い方を見ていきましょう!

部下のやる気を引き出す方法として、飴と鞭を使うんだよ

厳しく注意・指導していくばかりじゃやる気がなくなってしまう。

良いところをほめて、伸ばしてやることも忘れてはいけないことだぞ。



褒めることを「飴」、厳しくすることを「鞭」として表現しています。

わかりやすい使い方ですね。

褒めて伸ばそうというのは、よい方法だと思う。

しかし、褒めてばかりいたら図に乗ってしまうことだってあるんだから、時には厳しく接して飴と鞭を使い分けないと



「褒めるばかりではいけない」という意味の戒めの言葉として「飴と鞭」を使っている例文でした。

先輩は部活中は常に厳しいけれど、それ以外では一緒に遊んだり勉強を教えてくれたりととても優しい。

飴と鞭ってこういう人の事をいうんだろうな



ひとつの物事に向かって飴と鞭を使うのではなく、時と場合で飴と鞭を使い分ける。こんな方法もあるんですね。

と、このように「飴と鞭」を使います。

「厳しい」けれど「優しい」
「つらい時もある」けれど「うれしい時もある」をそんな状態を表したいときに「飴と鞭」を使ってみてくださいね。


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まとめ

いかがでしたか?
「飴と鞭」の意味や語源・使い方を見てきました。

「飴と鞭」にの類語にはこんなものがあるんですよ。

  • なだめたり威(おど)したり:厳しさと優しさを巧みに使い分けるさま。
  • 硬軟(こうなん)おり交ぜて:かたいことと柔らかいことをまぜながら。
  • 威しと賺(すか)し:こわがらせたり機嫌をとったり。
  • メリハリ:ゆるむことと張ること。
  • 抑揚:調子を上げたり下げたり、また強めたり弱めたりすること。



「飴と鞭」は英語で表現すると、「carrot and stick(人参と棒)」になります。

凄く変わってしまいますね(*^-^*)

馬の調教に語源がある言葉だそうです。

ちなみに、中国語でも「「胡蘿蔔加大棒」(人参と棒)」というそうですよ!


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