「虎の尾を踏む」想像するだけでおそろしい行為ですよね。


虎の尾を踏む


語源はやっぱり、本当に虎の尾を踏んじゃってどうにかなってしまったのでしょうか?

それとも慣用句お得意の比喩なんでしょうか?

あれ?そもそも虎って日本いないよね?
疑問はどんどん出てきます。

そんなときは調べるのが一番ですね。

そこで今回は、虎の尾を踏むの意味や語源について紹介します!

一緒に見ていきましょう。



虎の尾を踏むの意味・読み方とは?


「虎の尾を踏む」「とらのおをふむ」と読みます。

意味は、「極めて危険なことをすること。非常に危険をおかすこと。」です



「危うきこと虎の尾を踏むが如し」「虎尾を履む(こびをふむ)」とも言われます。

故意に危険なことをする場合だけでなく、うっかり危険なことをしてしまった場合や偶然してしまった場合にも使える慣用句です。

覚えておくと、きっと役に立ちますよ!

まぁ、故意でも故意でなくても尻尾を踏まれれば虎は怒りますからね。

危険をおかすことは、かなりの覚悟が必要ですね。


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虎の尾を踏むの語源とは?

「虎の尾を踏む」に語源を調べると中国に答えがありました。

哲学・占術について書かれている「易経」という中国古代の書物があリます。

「易経」の中の六十四掛第10番目「履掛」に「虎尾を踏む、人を咬まず」と記されており、これが「虎の尾を踏むの語源。

「その行為の危険さは、恐ろしい虎の尾を踏むに値する行為だ。
なぜなら、虎はただでさえ恐ろしい猛獣なのに、尾を踏むなんて噛み殺されても不思議ではない。」

と、いうふうに比喩されているのです。

やはり、慣用句お得意の比喩表現でしたね。


余談ですが、十二支や、高松塚のにある四神(白虎・朱雀・青龍・玄武)は中国から伝わってきています。

日本では長い間、虎=白虎であったので虎は神獣扱いでした。

神獣の尾を踏むと考えると、ますます恐ろしいですね。

想像上の動物だった虎が実在の動物と認識されたのは豊臣秀吉の朝鮮出兵以降です。
それ以降、画材として取り入れられることが多くなり周知されましたよ。


虎の尾を踏む

虎の尾を踏むの使い方・例文!

意味や語源が分かったところで実際に例文を作ってみましょう。

イメージしながら読んでみてください。

  • さっきの喧嘩(けんか)を止めに行くのは虎の尾を踏む思いだった。
  • 機嫌が悪そうだったけど、虎の尾を踏む思いで話しかけてみた。
  • そんなに気難しい人とは知らず意見してしまったのは虎の尾を踏む行為だった。
  • 虎の尾を踏む思いで暗闇の中を進んでいった。
  • 虎の尾を踏む行為が逆鱗に触れてしまったようだ。

いかがですか?

「ドキドキ」や「ビクビク」「ヒヤヒヤ」するシーンばかり思い浮かびましたよね。

そんなシーンが浮かんだあなたは大正解です。

そんな場面に遭遇した時はぜひ「虎の尾を踏む」を使ってください。

って、あんまりそんな事には遭遇したくないですね(苦笑)


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まとめ

さて、ここまで学んできた「虎の尾を踏む」ですは英語で表現できるのでしょうか?

見ていきましょう。

「to tread on tiger’s tail.」直訳すればこうなります。

虎の尻尾(しっぽ)を踏み付ける ですね。
だから何?と言いたくなってしまいます(; ^ω^)


こちらはどうでしょうか?

「to take great risks」
意味は 大きなリスクを負う です。

「虎の尾を踏む」の意味ではありませんが、せっかくの比喩表現が生かされていませんね。

英語のことわざでこんなものがあります。
比喩表現も使われていますし、これが一番ピッタリきますよ。

To rest on an inverted pyramid.
意味は 逆さまになったピラミッドの上で休む。 です。


そして実は、「虎の尾を踏む」は類義語がすごくたくさんある慣用句なんです。

人は危ない事には近づきたくないものの「こんな危ない事したんだ!すごいだろう!」と自慢気に話すものです。

きっとそんな話の中にこれからご紹介する慣用句やことわざが使われていることでしょう。

  • 累卵(るいらん)の危うき:物事が非常に不安定で、きわめて危険な状態にあることのたとえ
  • 蜘蛛(くも)の巣で石を吊る:とても出来ない事や、また非常に危険な事のたとえ
  • 氷に座す(ざす):きわめて危険な状態にいることのたとえ
  • 剃刀(かみそり)の刃を渡る:大変危険なことをおかすことのたとえ
  • 虎の口へ手を入れる:大変危険なことを試すたとえ
  • 龍の鬚(ひげ)を撫で虎の尾を踏む:大変危険なことを試すたとえ



さきほど「虎」は画材としてよく使われるお話をしましたが、それ以外にもたくさん使われているんですよ。

せっかくなので「虎」を使った慣用句やことわざをご紹介しますね。

  • 口の虎身を食み、舌の剣命を断つ:言葉には十分気をつけなければならないと言う教え
  • 虎穴に入らずんば虎子を得ず:何事も危険をおかさなければ、目的を達したり、大きな成果を得たりすることはできないということ
  • 虎口を脱する:きわめて危険な場所や状態から逃れること
  • 前門の虎、後門の狼・・・災難や危害が次々と襲ってくること
  • 虎の威(い)を借る狐(きつね):権力のあるもののかさを着て、勝手気ままに振る舞う・威張る人物のこと。

もう、悲しいくらいに「虎」はこわいものとして例えられていますね(ー_ー;)

せめて、強いもの・かっこいいものの比喩に使ってほしいものです。

そんな「虎」も慣用句やことわざにいるかもしれません。

お時間が出来た際にでも、探してみてくださいね。