「あなた、今日の夕飯は何を食べたい?久しぶりにカレー?あっトンカツもいいよね!」
「なんでもいーよ!まかせるー」
「えーそう言われると困るなぁ…張り子の虎じゃないんだからさぁ…」
こんな夫婦の会話、あるあるですよね~!
実はこのやりとり、私たち夫婦のある日の会話。
私がブツブツ言っていたところ、夫がなぜかポカーン。
よくよく聞いてみたところ、「張り子の虎って何?」と分からなかった様子。
確かに、何?と言われるとうまく説明出来ないですね…。
そこで今回は、張り子の虎について意味や使い方を紹介します!
まずは、意味から一緒に見ていきましょう。
張り子の虎の意味・読み方は?
それぞれ少し意味合いが違うのですが、冒頭のセリフには「人のいうことにただ頷いている主体性のない人」が当てはまりますね!
「人任せ」といったニュアンスです!
しかし、なぜ「張り子の虎」でそのような意味になるのでしょう?
次はその語源について詳しく見ていきましょう!
張り子の虎の語源とは?
実は、「張り子の虎」とは「虎のおもちゃ」のこと。
「張り子」とは竹や木などで組んだ枠や、粘土で作った型に紙などを張りつけて成形する造形技法のことです。
中が空洞になっていて、見た目に反してとても軽いのが特徴なんですね。
張り子の技術は、2世紀頃の中国が始まりと言われていて、その後アジアやヨーロッパに伝わったと考えられています!
日本でも「張り子」の技術を使った民芸品が各地にあり、「張り子の虎」もその1つ!
主に関西で端午の節句に飾る風習があり、本体とは別に虎の首が動くのが特徴です。
縁起物として知られていますね!
ほんの一例ですが、
- 似た動きをするもので、首が動く民芸品は福島県会津地方の「赤べこ」
- 張り子の有名処だと、群馬県高崎の「高崎だるま」
がありますね!
そんな「張り子の虎」が首を振る様子が、「首を振る癖がある人」「人の言うことにただ頷いている主体性のない人」と言われるようになりました。
また、たとえ虎の形をしていても、中が空洞の張り子の虎では怖くもなく、威厳もないことから転じて、「能力がないにもかかわらず虚勢を張る人」という意味で使われるようになったのです!
なるほど!と納得の語源ですね!
おもちゃの虎からそんな意味が生まれるとは、昔の人はとても豊かな感性を持っていたんでしょう。
このような意味がある「張り子の虎」ですが、実際の会話ではどんな風に使えるのでしょうか?
次はその使い方に着目していきます。
せっかく覚えたのですから使いこなせるように、一緒に見ていきましょうね!
張り子の虎の使い方・例文!
「張り子の虎」を使った例文をいくつかあげていきます。どんな風に使われているか比べながら見てみてください!
- 「彼女は自分の意見を言わずにいつも頷いている、張り子の虎のような人だ」
- 「自分では何もせずにでかい口をたたいて、自分は張り子の虎だと言っているようなものだよ」
- 「張り子の虎だと気付かずに、自分の力を過信している」
このように使えます!
何れもネガティブな印象が伝わってきませんか?
残念なことに、あまりいい意味では使われません。
「張り子の虎」自体は縁起物なのに、慣用句として使うとネガティブになるなんて不思議ですよね!
これこそが日本語の面白い点ではないでしょうか?うまく使い分けられるよう、しっかり覚えてくださいね!
さいごに
ここで、「張り子の虎」の類義語を紹介していきましょう!どんな言葉があるのでしょうか?
- 「虚仮威し」
- 「大言壮語」
- 「尻馬に乗る」
「こけおどし」と読みます。
2つの意味があり、「愚か者を感心させる程度のあさはかな手段」と「見せかけはりっぱだが、中身のないこと」です!
「たいげんそうご」と読みます。
「おおげさに言うこと、出来そうにもないことや威勢のいいことを言うことまた、その言葉。口では大きなことを言っても実行が伴わないこと」という意味がありますよ!
「しりうまにのる」と読みます。
意味は「よく考えずに他人の言動に便乗すること」です。
今回は「張り子の虎」の意味や語源、使い方の説明をしてきました!
縁起物の「張り子の虎」から出来た意外な言葉でしたが、一緒に語源を知ることで意味も覚えやすかったのではないでしょうか?
ちょっとした雑学として、話のネタにもなりますね!
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