「今日は、微に入り細を穿つようなおもてなしをいただいてありがとうございます。」
仕事で接待を行ったときに、先方の方から上司がこのような言葉をかけられていました。
「微に入り細を穿つ?」
私は、この言葉の意味が全く理解できなかったのですが、話の流れから喜んでいただけたと受け止めました。
しかし、この言葉の意味が理解できなかったことにどこか納得のいかない自分が…。
相手から言われた言葉に対して意味がわからなくても、会話の前後の状況でなんとなく理解したつもりになってしまうことってありますよね。
「会話が成立したからまぁいっか…」なんて流してしまうのはもったいないことです。
その言葉を理解することで、あなたの知的度はぐっと上がりますよ!
今回は、微に入り細を穿つの意味や使い方についてご紹介します。
是非、参考にしてみてくださいね!
微に入り細を穿つの意味・読み方は?
「穿つ」という言葉の読みが難しいかもしれませんね。
この言葉を聞いてすぐに漢字が思い浮かぶ人はそうはいないと思います。
だからこそ、知っておくと知識人に感じられるはずですよ!
ちなみに、「微に入り細に穿つ」と同じような意味を持つことわざに、「痒いところに手が届く」があります。
「痒いところに手が届く」とは細かいところまで配慮が行き届いて、気が利いていることの例えなので同じ意味。
つまり、「微に入り細に穿つ」とは「痒いところに手が届く」の最上級と言えます。
上司が言われた状況から考えると、接待の内容が先方の意にそぐい最高のおもてなしができたことを評価していただけたことになりますね。
微に入り細に穿つの語源とは?
「微に入り」とは「とても小さなところに入り込む」さまを意味していて、そのあとの「穿つ」とは穴を開けることを意味しています。
「細かいところにまで入り込み、さらに小さな穴を開ける」というところからこの言葉が生まれました。
「微」には「とても小さいこと、非常に細かいこと」という意味があり、「細」には「こまかいこと、詳しいこと」という意味があります。
この漢字二文字を使って「微細」という言葉があり、「きわめて細かく小さいこと」となります。
「微」と「細」どちらも「細かいところ」という意味を持っているので、とても深いところまで配慮が行えているというところから「微に入り細に穿つ」という言葉が作られたのでしょう。
微に入り細に穿つの正しい使い方・例文!
言葉の意味が理解できても、実際に使わないのはもったいないですね。
日常の中でどんな時に使うのが正しいのかご紹介していきます。
- 「部長の微に入り細に穿つ説明で参加者全員が納得した。」
- 「先日、出張で泊まったホテルの対応は微に細を穿つものだった。」
新規事業の説明会。
今までにないアイデアを盛り込んだ事業のため参加者全員を納得させるのは難しいと心配していた。
しかし、部長の指示にて参加者の業種に応じた資料を用意し、部長の細部にまでわたるきめ細かな説明のおかげで参加者全員の承認を得ることが出来た。
他業種も集まる説明会では1方向に向かっての説明だけでは理解できる人と、理解できない人に差が出来てしまいます。
それを防ぐために、個々に応じた資料を用意することで全員を納得させた部長の取り組みはまさに「微に入り細に穿つ」対応ですね。
フロントの方々の対応はもちろん、客室でのWi-Fi接続、加湿器の設置、ベッドの広さも十分。
実は枕が変わるとなかなか眠れない人のために枕の高さや硬さを選択できるサービス。
栄養面のバランスが考えられた朝食サービス。
出張ではなかなかゆっくりと休める時間が持てないものです。
そんな中、ホテルで過ごすわずかな時間を快適に過ごせることはホテル側の「微に入り細を穿つ」対応のおかげでしょう。
ちなみに、「微に入り細に」から始まる言葉は「微に入り細を穿つ」以外にもあります!
「微に入り細に」まではどれも共通して「細かいところまで」という意味を持っているのですが、そのあとに続く言葉によって意味が変わってきます。
間違えて使用しないためにもその言葉の意味と使い方についてご紹介しておきますね。
- 「微に入り細に入り(びにいりさいにいり)」
- 「微に入り細に渡り(びにいりさいにわたり)」
細かいところまで入り込んでという意味です。
使用例:「微に入り細に入り研究を行う」
一つのことに対して非常に細かいところまで調べつくすさまを表現した使い方です。
細かいところまで広くという意味です。
使用例:「微に入り細にわたる説明を行う。」
相手に対して、理解しやすいように細かい部分を多岐にわたって説明することを表現した使い方です。
最後に
「微に入り細に穿つ」の意味は理解していただけましたか?
なかなか聞きなれない言葉でも、その意味を理解すれば日常の中で自然と使えるようになりますね。
そして、私もあなたも「微に入り細に穿つ」ことのできる存在になれるよう努力したいものですね。
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