「一度勝っているからって、油断大敵だぞ!」
試合前などに、聞こえてきそうなセリフですね。


油断大敵


ハッパをかけるときや、気合を入れるときに使う言葉「油断大敵」ですが、どうしてこんなふうに表現するようになったのでしょうか?

聞きなれた言葉なのに、「どうして?」と聞かれると答えることはできない。
そんな言葉は、意外と多いものです。

今回はそんな言葉のひとつ「油断大敵」の意味や語源について紹介します!

それでは一緒に見ていきましょう。



油断大敵の意味・読み方!


「油断大敵」「ゆだんたいてき」と読みます。

意味は、「注意を少しでも怠れば、思わぬ失敗を招くから、十分に気をつけるべきである。」です。



それにしても、「失敗」と「油」は一体どんな関係があるのでしょうか?

次の章で、なぜか分るように語源を紹介しますね。


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油断大敵の語源・由来とは?

まずは、「油断」の語源から。

「油断」の語源は諸説ありますが、今回は代表的なものを3つ紹介しますね。

まずは1つ目。

比叡山に語源があるとされているお話です。

比叡山延暦寺の根本中堂には、「不滅の法灯」と呼ばれる法灯があります。
1200年も前の昔から、「火」が途絶えたことがないそうなんですよ。

それは、火が消えることが無いように、僧侶が毎日なたね油を注いでいるからなんです。
では、その油の準備を怠ったらどうなるのでしょう。

大切な法灯が消えてしまうことになりますね。
ここから、準備を怠り良くない結果になることを「油断」と呼ぶようになったのです。



続いて2つ目。

「北本涅槃経二三」に語源はあるとされるお話です。

こちらに「ある王が家来に油を持ってあるかせ、その油を一滴でもこぼしたら命を絶つと命じた。」というお話が記載されています。

要約すると「注意を怠ると、油が原因で命を断たれる。」ということが書いていますね。

ここから、「注意を怠ること」を「油断」というようになったのです。



最後に、3つ目。

古語に語源があるというお話をご紹介します。

古語に「寛 (ゆた) に」というものがあるります。
「ゆったり」「のんびり」という意味なのですが、この「寛に」の発音が「油断」に転じたというものです。

「ゆったり」「のんびり」して「注意や準備を怠った」ために、良くない結果になることを「油断」と呼ぶようになりました。



いずれの語源も注意・準備を怠ったことを「油断」と表現するようになったというのには、変わりはありません。

「油断大敵」はここに「大敵」の意味がプラスされるというわけですね。


では、「大敵」の意味をご紹介しましょう。

「大敵」の意味は、「強くて恐ろしい敵」「手ごわい相手」「強敵。」です。

こんな敵や相手には気を付けなければいけません。

これを踏まえて考えると…
「油断大敵」の意味が「注意・準備を怠ることに気を付けなければならない。」となったのが分かりますね!

単語の語源から意味を考えなければならない。
ちょっと、ひねりが必要な言葉でしたね。


油断大敵

油断大敵の使い方・例文!

それでは、例文を用いながら「油断大敵」の使い方を紹介していきますね。

今日の対戦チーム、昨年は快勝している相手だけど新チームになっているから油断大敵だぞ

初めて戦う相手だと思てって、気合を入れていけ~。


ホント、油断大敵ってこのこと

今回の定期テスト、凡ミスばっかりじゃない。

時間が余ったら、必ず見直しをする。

それを癖付けないと、同じことをくりかえすわよ!


ダイエットが順調だからって、調子に乗って食べすぎちゃった~。

油断大敵だってこと、すっかり忘れていたよぉ(泣)



と、このように「油断大敵」を使います。

気の緩みが原因で良くない結果になったときや、そうならないように注意を促すときなどに「油断大敵」を使って表現してみましょう!


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まとめ

いかがでしたか?
「油断大敵」の意味や語源・使い方を見てきました。

最後に、「油断大敵」の類語と英語表現をご紹介しますね。


「油断大敵」の類語にはこんなものがあります。

  • 勝って兜の緒を締めよ:敵に勝っても油断しないで、心を引き締めよというたとえ。
  • 好事魔多し:良いことやおめでたいことには、いろいろと邪魔が入りやすい。
  • 猿も木から落ちる:その道にすぐれた者でも、時には失敗することがあるということのたとえ。
  • 弘法にも筆の誤り:その道に長じた人でも時には失敗をすることがあるというたとえ。
  • 上手の手から水が落ちる:達人でも時には失敗する。



英語表現はこちら。

Security is the greatest enemy.(安心は最大の敵である)

実は、こちら英語のことわざなんですよ。

日本でも外国でも、「油断」は足をひっぱるものなんですね。

気を付けましょう!


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