「ねぇ。アレはなんて書いてあるの?」とあるチームのTシャツに書いてある言葉を指さして子どもが聞いてきました。

書いてあった言葉は「破天荒」。
チームTシャツなどに書かれているのをよく目にしますね。


破天荒


読み方を聞かれたからには、きっと意味も聞かれるよね…
と、先読みしてネットで確認しました(笑)

よく目にする言葉だし意味はわかっているつもりだったんだけど、それを「説明して。」「教えて。」と言われれば何だか不安…
そんな経験あなたにもあるのではないでしょうか?

よく目にする言葉だからこそ、きちんとした使い方を知っておきたいですよね。

そこで今回は、破天荒の意味や語源、使い方について紹介します!

読み終わる頃には、お子さんの質問にもしっかり答えられるようになりますよ!

それでは、一緒に見ていきましょう。



破天荒の意味・読み方!


「破天荒」「はてんこう」と読みます。

意味は、「今まで誰も成し得なかったことを行うこと。またそのさま。」です。



えっ!破天荒の意味って「豪快、めちゃくちゃ、乱暴者」ではないの?ってあなたも思ったのではないでしょうか?

しかし、こちらは誤用になります。

実は「破天荒」は、平成20年度に文化庁が行った国語に関する世論調査で、なんと6割以上の人が誤って認識しているという結果が出ている言葉なんです(;゚Д゚)!

こんなにも多くの人が間違えて覚えてしまっている「破天荒」ですが、語源を知ることでより理解が深まります。

次に語源を見ていきましょう。


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破天荒の語源・由来とは?

 
「破天荒」の語源をたどると、中国へとたどり着きます。

中国・宋代の書物「北夢瑣言(ほくむさげん)」に載っている話が語源なんです。

唐の時代「荊州(けいしゅう)」からは、誰一人として「科挙」の合格者は出ていませんでした。

「科挙」とは中国で598年~ 1905年つまり隋から清の時代まで約1300年間、て行われた官僚登用試験で、この難関な「科挙」のことを「天荒(未開拓の地)」と呼んでいたのです。

しかし、とうとう大中(847年正月—860年10月)のころに、劉蛻(りゅうぜい)という人が見事合格しました。

「破」には、うち破るという意味がありますから、科挙に合格したことを「天荒(科挙)」を「打ち破った」と言いい広め「破天荒」という言葉が生まれたのです



語源となったお話を見ると、「破天荒」の意味が「今まで誰も成し得なかったことを行うこと。」であることをが納得できます。

誤用されるている意味のほとんどは悪い意味ですが、きっと「破」「荒」の漢字のイメージからきてしまったものなんでしょうね。

「破天荒」がどんなときに使われる言葉かは理解できたところで、実際に使いたいですね。

間違えた使い方をしないよう、一緒に見ていきましょう。


破天荒

破天荒の使い方・例文!

「破天荒」は、「立派な人を褒めるための言葉。」「非常に珍しいことを表す言葉。」でしたね。

そのことを、頭におきながら例文を見ていくことにしましょう。

我が中学から難関A高校へ進学した者はまだ誰もいない。

それでも、どうしても挑戦してみたいとがんばったTくんは見事、破天荒な生徒となった


新商品の開発にはいくつものアイデアが必要になる。

Kさんの破天荒な試みが、いつも良いものの開発に結びつくんだ。



こちらのふたつの例文は、「立派な人を褒めるための言葉。」として使われていますね。

次の例文はどうでしょうか?

今日は、A電気の新規店舗オープン日♪

目玉商品の1台1万円のタブレットは破天荒すぎて驚かずにはいられないよ



こちらは、「非常に珍しいことを表す言葉。」として使われています。

最後に、間違った使い方を見てもらいうことにしましょう。

うちの父は、朝までお酒を飲んで会社に行くなんて、当たり前なくらい破天荒なことばかりして母を悩ませている



誤用例のひとつである「めちゃくちゃ」の意味でしょう。

世間で半数以上の人が勘違いしているとはいえ、誤用はやはり誤用です。

間違えないようにしっかりと覚えておきましょうね。


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まとめ

いかがでしたか?
「破天荒」の意味や語源・使い方を見てきました。

「破天荒」は世間で半数以上の人が間違えている言葉でしたね。

他にも、こんな言葉が多くの人に間違えた意味で覚えられているんですよ。

一例となりますが、紹介しますね。

  • 姑息(こそく)
    • ○→一時の間に合わせにすること。また、そのさま。その場しのぎ。
    • ×→卑怯

  • 失笑する
    • ○→思わず笑い出してしまうこと。
    • ×→呆れて笑いも出ないこと。

  • 檄を飛ばす
    • ○→自分の主張や考えを広く人々に知らせ同意を求める。
    • ×→がんばれと励ます。

  • 役不足
    • ○→力量に比べて、役目が不相応に軽いこと。
    • ×→自分の実力を過大に評価されたことに謙遜

  • 情けは人のためならず
    • ○→人に親切にすれば、その相手のためになるだけでなく、やがてはよい報いとなって自分にもどってくる。
    • ×→親切にするのはその人のためにならない。

などがあります。


「破天荒」は正しい意味で使えば、褒め言葉ですが広く誤用されている悪い意味に取られてしまえば、誤解を招くことになったりトラブルの原因になる場合がありますのでご注意ください。

しかし、「言葉は生き物」といわれるくらい時代とともに変化しているものです。

後から広く誤用されていた意味が正しい意味として追加される場合もあるんですよ。

例えば、「敷居が高い」がそうです。

本来の意味は「義理を欠くようなことや迷惑をかけてしまい、その家に行きにくい。」でしたが、「高級だったり各が高かったりと思えて、その家・その店に入りにく。」が追加されたのです。Σ(・□・;)

普段よく耳や目にする言葉も初めて聞く言葉も、じっくりと調べてみると面白い発見があったりするものです。

意味が追加されているなんてことも、これからはあるかも?

慣用句やことわざなどを「生き物」である言葉を使うときは、時折確認することが必要ですね。( ..)φメモメモ


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