子どもが友達に怪我をさせられて帰ってきました。

その夜、怪我をさせたクラスメイトの親御さんがあやまりにきたのですが、
「今回は怪我をさせたようで…でも、子どものすることですから大目に見てください。」だって…

「大目に見てください」って、自ら言うなんて反省の欠片も感じられない!


大目に見る


でも、これって私の解釈が間違えてるの?ハッキリと言いきれたら、反論もできるのに…

何となく…で意味を覚えているから、ハッキリと言いきれない。 そんな経験あなたもありますよね。

そんな悔しいモヤモヤした思いをしないためにも、言葉の意味をしっかりと知りましょう!

そこで今回は、大目に見るの意味や使い方について紹介しますね!

さっそく一緒に見ていきましょう。



大目に見るの意味・読み方!


「大目に見る」「おおめにみる」と読みます。

意味は、「人の失態や過失を責めず寛大に受け止めること。」です。



「大目」は音が「多め」や「多目」と同じですので、表記間違いに注意

後ほど紹介する語源に関係がありますので、きちんと「大目」と覚えておいてくださいね。

「大目に見る」は「大」の漢字を使っているだけに、「寛大」というイメージがもともとあったんじゃないでしょうか。
それとも、「大雑把」や「大きめ」の「大」のイメージだったでしょうか。

確認のためにも、次の章で語源を一緒に見ていきましょう。


スポンサーリンク


大目に見るの語源・由来とは?

「大目に見る」に語源をたどると道具にたどりつきます。
実は、「大目に見る」の「目」はふるいの目のことだったのです!
※厳密には、粗い目のものを「通し」、細かい目のものを「ふるい」というが、混用されており区別することも困難なので、こちらは「ふるい」として紹介させていただきますね。)


と、簡単に「ふるいの目」と言ってしまいましたが、あなたはふるいをご存じでしょうか?

ふるいというのは、主に粒状のものを入れてゆり動かし、粒の大小によって選択、分離するための道具のことです。

料理をする方なら、「粉をふるう」ときに使いますよね。

他にも、子どものころの「砂あそび」で平たいザルのようなものを使ったと思いますが、あれが「ふるい」なんです。


ふるいの目を大きくすれば、たいていのものは通ってしまう。

それと同じように、許容範囲を大きく持ち自分の中のフィルターに引っかかる問題を少なくし、大雑把に見ましょう。というのが大目に見るの語源になっています。

「大」の文字からイメージした「寛大」「大雑把」「大きめ」のイメージはすべて正解でしたね!


ちなみに、漢字表記を誤って「多目」や「多め」にしてしまうと、「たくさんの目」という意味になってしまいます。

ふるいの「目」が「多い」ということは「目が細かい」ということ。

それでは、「細かい目でみる」となってしまい、意味が全く逆になってしまいます(;´Д`)

誤表記しないようにしっかりと覚えておきましょうね。


大目に見る

大目に見るの使い方・例文!

早速ですが、例文を見ていくことにしましょう!

部活動中にチームメイトにケガをさせてしまった!

相手の親御さんは「練習中のことだし、わざとじゃないでしょ。Sくん気にしないで!」と大目に見てくれました

もちろん悪気があったわけじゃないし、わざとでもない。でも、怪我をさせてしまったのは本当に申し訳ない…


新人研修が終わったばかりの僕に、T部長は「多少の失敗は大目に見る。フォローもするからどんどんチャレンジしていきなさい。」と声をかけてくれた。

まだ仕事に対して不安しかなかったあの頃、あの言葉はすごく励みになったもんだ。



こちらのふたつの例文からは「思いやり」や「優しさ」が伝わってきますね。

毎日のように宿題を忘れてくるGちゃん。

「宿題してたら遅刻しそうだったんだもん。遅刻しなかったんだから先生、大目に見てよ!」なんていってばかりいる。

先生から「遅刻と宿題は関係ありません!」と大目玉を食らってしまっていた。


通勤途中にスピード違反で捕まってしまった!

「はじめての事なんで大目に見てくださいよぉ。」と警察官にお願いしたけどダメだった…



こちらのふたつは「自分に都合が良くなる」ように、「大目に見る」を使っていますね。

ふたつのパターンの例文を見て、何か気が付いたんじゃないですか?

そうです!「大目に見る」は、

  • 「自分」に使うと、言い訳や言い逃れをするために
  • 「人に向けて」使うと、思いやりや優しさが見える

と、ふたつの顔を持った言葉だったんです!


スポンサーリンク


まとめ

いかがでしたか?
「大目に見る」の意味や語源・使い方をみてきました。

ついでに、「大目に見る」の類語も紹介しておきましょう。

  • 目をつぶる:過失を見ないふりをしてとがめない。知らないことにする。
  • 見逃す:見て気がついていながら、わざととがめないでおく。
  • 見過ごす: 気がついていながら何もせずそのままにしておく。放置する。
  • お目こぼし:見て見ぬふりをすること。咎め立てせずに見逃すこと。

などがあります。

それぞれに少しずつニュアンスが違っていますので、これらを状況に応じてうまく使い分けてくださいね。

ちなみに、英語では、・overlookがピッタリくるんじゃないでしょうか?

「違反や失敗を、それほど重要視しないで特に何をするわけでもなく放置する」「その問題に気付かず、うっかり見逃してしまう」という意味です。

Please overlook my faults.
私の失敗を大目に見てください。

というふうに使います。


日本でも外国でも、「大目に見る」という言葉があり、寛大な心をもつということは争いをさけるには、良いことかもしれませんね。

とはいうものの、誰ででも彼でもいつでも「大目に見るよ!」と言ってもらえるわけではないでしょう。

「仏の顔も三度まで」という言葉があるくらいですから、大目に見てもらえるのは何事も3回くらいまでなのかもしれませんね。


関連記事(一部広告含む)