「病院の先生に包む「心付け」って「袖に下」のことだよね。」

「母が手術するんだけど、渡したほうがいいかな?」

「確かに、そうだけど今どき受け取る?」


袖の下


先日、友人とそんな会話をしていました。

「袖の下」の意味って確かあまり良くなかったよね・・・

今回はそんな「袖の下」の意味や語源の紹介です。

なんだか、悪しき習慣のにおいがプンプンします。

いっしょに見ていきましょう。



袖の下の意味・読み方!


「袖の下」「そでのした」と読みます。

意味は「内密に贈る品物や金銭」「賄賂(わいろ)」「貢物(みつぎもの)」です。



賄賂を指す隠語は他に「山吹色のお菓子」や「黄金色のお菓子」「鼻薬」などがあります。

「鼻薬」は「点鼻薬(てんびやく)」のことではなく、物をねだる子供をなだめるためにあげるお菓子のことです。

なぜ、「袖の下」の意味がこんなふうになったのでしょう?
 
語源のところで出てくるので、続けてみていきましょうね。


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袖の下の語源とは?

実は袖の下の語源はいくつかの説があります。

一番有力なのが、「昔、役人などに便宜(べんぎ)を図ってもらうために、金品など賄賂を、着物の袂(たもと)に包んで隠すようにして渡したこと」です。

他にも「、賄賂を差し出されたときに、右手ではいらない!いらない!としながら、左手の袖を指差し、袂にそれを入れるように促(うなが)したこと」からきているという説も。

さらに、「こっそりと着物の袂から、賄賂ややましい金品を贈ったから」という説もあります。

どの語源にしても「袂」を隠れ蓑(みの)にして、不正なやり取りをしていたことからきているのですね。

「袂」とは和服のそでの下の袋状の所のことなので、まさに「袖の下」なのです。


ちなみに、「山吹色のお菓子」や「黄金色のお菓子」の語源は、「菓子折りの底にお金を隠して渡す。」

時代劇などで悪人同士が賄賂をやりとりするシーンでよく見かけますね。


袖の下

袖の下の使い方・例文!

「袖の下」の使い方を例をあげてみますので、あなたもどんな場面か想像してみてくださいね。

手術や治療の前に担当医に袖の下を渡さないと差別される。

一昔前はこんな噂(うわさ)があったそうです。

実際に手術前は「心付け」としてお金を包んでいいたんだとか。

現在は、病院に禁止の掲示をしているところが多いですね。

悪しき習慣がなくなったよでよかったです。



分かりやすいように、もう一つ例をあげてみましょう。

裏口入学という言葉があります。

成績が悪く試験ではとうてい合格できないような学校に入学したいときなどに使う手です。

その方法のひとつが、袖の下を使うということ

もちろん、公(おおやけに)にではなくこそっと渡すんですよ。



「袖の下」って、こそこそと渡すやましものであることがよくわかりますね。 


ちなみに、「袖の下に回る子は打たれぬ」という言葉があります。

子供を叱るときに、逃げ回るような子供なら追いかけてでも叱ろうとするが、自分を慕ってすがりついてくるような子供は可愛くて叱る気にはなれないという意味です。

袖の下は縋(すが)り付くという意味で使われています。

「賄賂」の意味と同じ「袖の下」を使った言葉なのに随分(ずいぶん)と意味が違いますね。


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まとめ

着物の一部が語源の「袖の下」ですが英語で表現することは出来るのでしょうか?

Bribe(賄賂)では露骨すぎますね。

「袖の下」と意訳される表現にこんなものがあります。

under the table

直訳すれば、「机の下で」ですが、ネイティブの人は「テーブルの下で賄賂を渡す」と訳します。

秘密に行うとき・不正な方法をとるとき・闇取引の場で使う言葉ですね。

もう、「袖の下」そのもの。

渡し方までそっくりです( ´艸`)


せっかくの機会なので、「賄賂」に関係する言葉をご紹介しましょう。

魚ごころあれば水ごころあり

本来の意味は「相手が好意を示せば、こちらも好意を持って対応しようということ。」

ですが、「まずあなたが好意をしめしてくればこちらもそのように接してあげるよ」と「袖の下」を要求するような意味で使われるのが多い言葉です。


賄賂なんて「欲」を利用し自分に都合良く、人を動かすためのもの。

それに関する言葉がたくさんあるって何だか、人間はあさましい生き物だと実感しちゃいますね。

いかがでしたか。

意味だけじゃなく、語源や使い方も一緒に見ていくと記憶に残りやすくなりますね。

予想外の真実が出てきたりしておもしろいですよ!


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