「いつまでも子供だと思っていたのに、すっかり母親姿が板に付いてきたね。」
久々にあった母が私にふっと言いました。

「お母さん、板前さんじゃないよ。」料理をしながら話していたので子供が勘違いをしたようです^^


板につく


「板に付く」なんて大人はよく使っても、子供はあまり使いませんね。

しかし、せっかくなのでちゃんと正しい意味を理解して使ってもらいたい。

そんな思いをこめて、今回は「板につく」の意味や語源について紹介しますね!



板につくの意味・読み方とは?


「板に付く」「いたにつく」と読みます。

その人の地位や仕事に慣れ、それに相応しい仕事ぶりや振る舞い・物腰が自然ととれるようになりそれらしくなる。
服装などがしっくりきていてよく似合っている。
と、いう意味です。



スポンサーリンク


板につくの語源とは?

「板前さん」との関係ですが、ズバリ、関係ありません(笑)

板前さんの「板」はまな板のことなので、「板に付く」の「板」とは全くの別物です。


「板に付く」この言葉は舞台で演じる演劇、舞台演劇で使われていたもの。

昔からある舞台演劇と言えば「歌舞伎」ですよね。

歌舞伎の舞台は板張りで出来ており、この床材である「板」からきています。

経験をつみ習熟した役者の演技は、舞台にしっくりとなじみます。

自信に溢れ、しっかりと板(舞台)に足をつけ、演じている様から「板に付く」という言葉が生まれました!

私は歌舞伎を観劇したことはありません。
ですが、舞台演劇を観劇したことは複数回あります。

初日近くの演者さんの演技と千穐楽近くの演者さんの演技。
素人の私が見ても明らかに違い、良い意味での余裕や慣れを感じます。

こう言うのを「板に付く」と言うのですね!


ちなみに、歌舞伎は「出雲 阿国(いずもの おくに」という女性が「ややこおどり」から創設した「かぶき踊」が元といわれています。

その歌舞伎が舞台で演じられるようになったのは江戸時代。という事は「板につく」も江戸時代から使われ続けているという事です。

演技者の経験や習熟具合を表していた「板に付く」

やがて年月が経ち、色んなものに関して経験を積み習熟具合が増してゆき身に馴染むことを表す言葉に転じました。


また、一説によると舞台用語の「板付き」が語源であるというものもあります。

この「いた」も舞台床材の「板」のことを指しています。

しかし、幕開けや場面転換などの時に役者が初めから舞台に上がっていることを、「板付き」と呼ぶので言葉の繋がりがない事から有力な説とはされていません。

よく似ている言葉なので使い間違いに注意しましょう。


板につく

板につくの使い方・例文!

主に褒め言葉として使われる「板につく」。

では、どういう風に褒め言葉として使うのでしょうか。

例文を交えながら説明していきましょう。

  1. 茶道を始めたころは七五三のようだったけど、最近は着物姿も板についてきたね。とお師匠さんに声をかけて頂いた。
  2. 社会人になって数年、スーツ姿が板についてきたと父にほめられた。
  3. 初めは不安だったけど、学級委員長姿が板についてきているね。って先生思うんだ。



「主語」となっている人物像に共通点はありませんか?

お師匠さん・父・先生…

あなたならもう気が付いていますよね。

そう、すべて「目上の方」からのお褒めの言葉なんです。

目上の方から見て、仕事ぶりや立ち振る舞いや手際が慣れてきたと思われる際に発せられるお褒めの言葉なのです。

ということは…目上の方に使うと失礼に当たりますので気をつけましょう。


しかし、褒めている言葉のはずなのに…と疑問の思うのも無理はありません。

その理由もきちんと説明しますね。

意味からすれば技術が上がってきた人に対してのお褒め言葉なのですが、語源である「演者を褒める」という行為が関係してきています。

観客が「演者を褒める」という行為は、観客目線での言葉です。

「技術が上がって来た」とほめているという事は「以前はダメだった」「まだまだだった」という 風にも取れます。

こんな闇を含んだ言葉を目上の方に発するなんて…想像するだけで、恐ろしすぎます((( ;゚Д゚)))


スポンサーリンク


まとめ

ここまで「板に付く」の意味や語源・例文を見てきましたがいかがでしたか?

こういった慣用句やことわざを使うことで表現がしやすくなるものが多々あります。

また、こういうものを調べることであたらしい発見します。

その発見のひとつとしてこんなものを紹介させてもらいます。

  • 同義語

  • 英語
    • Get to the plate

  • 「板」が使われる慣用句
    • 板に乗せる(舞台で上演する)
    • 板に着く(配役がぴったりとくる)
    • 板に上す(出版する)

  • 「板」が使われている四字熟語
    • 一枚看板(芝居などの一座で中心となる人物)
    • 看板倒れ(見せかけだけで、内容が伴わない)
    • 見参の板(そこを踏めば音がし人の出入りがわかった鳴板)



使われている「板」それぞれ意味は違いますが、舞台演劇関連が多いことに驚かされました。

「歌舞伎」が発祥であった「板に付く」を勉強したという事。

これを機に、「歌舞伎」を観劇するのも良いですね^^


スポンサーリンク