「もしかして、使い方まちがえた…?」
あなたも、正しいと思っていた言葉の使い方が間違えていて、取引先で恥をかいたり先輩に怒られた経験ありますよね?
私も入社したての頃は、先輩に言葉の使い方についてよく怒られました(~_~;)
そんな私も今年から、新入社員の指導をすることに!
そして、忘年会の幹事を務めることになったのですが、忘年会を無事に終わった後に後輩から、「いや~、先輩の幹事っぷりは堂に入って(はいって)ましたね~!」と言われました。
お酒が入っていたし、無礼講だからと軽く受け止めましたが、よくよく考えてみたら何だかモヤモヤ。
もしかしたら、あなたも同じような失敗をしてしまうかもしれませんよ。
そうならないためにも、今回は堂に入るの意味・由来・使い方などを詳しく紹介しますね。
それでは、早速見ていきましょう!
堂に入るの意味・読み方とは?
つまりプロフェッショナルになっているって意味ですね。
学問や仕事を極めた一流の技術を持つ人に対する尊敬を表した慣用句なんです。
ところで、辞書で調べてみると「堂に入る」は漢字の「堂」の項目に書かれてますが、「堂」とは一体なんなんでしょう?
もう少し詳しく調べてみました。
堂に入るの語源とは?
「堂に入る」は論語の一節「堂に升りて(のぼりて)室に入らず」からできた言葉。
「堂」とは客間を、「室」とは奥の間のこと。
客間にのぼった程度では、奥のことまでわからないことから、学問や技芸がかなりの水準には達してはいるが奥義を極めるまでには至っていないことを意味します。
奥義を極めたプロフェッショナルだけが「堂」に入れる、だから「堂に升りて室に入る」を略して「堂に入る」と呼びました。
さらに「堂」は、立派な建物、寺院の建物、多くの人が集まる建物、という意味です。
昔の知識人は寺院に集まって学問・技芸にはげんだり、多くの民衆に技術を広めていました。
立派な寺院にいる知識や技術が優れている人が、尊敬を集めていたのでしょうね。
堂に入るの使い方・例文は?
ここまで意味や語源を調べてみると、後輩の使った「堂に入る」に違和感を感じますよね?
今度は使い方・例文を紹介します。
「堂に入った演技だ」、「堂に入ったスピーチだ」など、優れた技術を習得している人に、敬意を込めて使うと間違った使い方はしないでしょう。
あなたの周りにも長年磨き続けた技術が誰にも負けない人がいますよね?
その方に使うとほかの人からも好印象を受けることでしょう!
ちなみに、日本語の慣用句を英語ではどうなるのでしょうか。
ビジネスマンの方は英語で挨拶をしたり、自己紹介をする機会が多いので、簡単な英文を紹介します。
英語ではexpert(エキスパート)と訳し、意味は「熟練した、専門家」などです。
- He is an expert driver. (彼の運転は堂に入っている)
- He is an expert at mimicry. (彼の物まねは堂に入っている)
など、その方の技術を紹介する時に使うと便利!
その他にも類義語でmaster(マスター)があります。
こちらは「名匠、達人、巨匠」などの意味合いがあるので、to be a master of the art (芸術の第一人者)など使い分けると英語でもわかりやすくなりますね。
堂に入るの類義語とは?
最後に類義語を紹介しますね。
「板につく」「様になる」「こなれている」「ものにしている」「身についている」などがそうです。
意味合いは同じですが、相手に敬意を表すには「堂に入る」よりは品格が少し低く感じます。
自分と同世代や年下など、気負いしない相手には「板につく」や「様になる」と使い分けるほうが言葉が砕けて相手に気持ちが伝わりやすいでしょう。
他にも、相手の手腕を褒める時に使う表現では「お見事」や「お上手」、「お達者」などがあります。
こちらはもっと意味合いが柔らかくて、親しみやその場の和やかさまで伝わってきそうですね。
忘年会でも司会を務めた私に向かって酔った部長が「よっ!お上手!!」と合いの手を入れていただきました。
冒頭に紹介した後輩が言った「堂に入っていた」も、本当は「カッコよかったです!」と伝えたかったのでしょう。
でも私と後輩はそれほど年の離れていないまだ半人前同士です。
この場合は「先輩、幹事お見事でした!」と言ったほうがいいでしょう。
新年が明けたら後輩にそっと注意しておきます(笑)
さいごに
いかがでしたでしょうか。
今まで間違った使い方をしていた方も多いと思います。
周りの人たちが尊敬する方に失礼がないよう、言葉遣いを正すとほかの方との良好な関係を築くきっかけにもなります。
あなたのコミュニケーション力アップに、ちょっとでも役に立てたら嬉しいです!
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