ことわざには、読めばなんとなく意味が分かるものもあれば、あまり見たことない表現で書かれているものもあります。

また、意味を取り違えたことが原因で、間違った解釈で相手に使ってしまい、恥をかいたり、時には信頼を失ってしまったりすることも…。


臍を噛む


今回は「ほぞをかむ」ということわざについて。

恥ずかしながら私は、この意味についてよく分かりませんでした。

しかし、調べてみればなかなか面白い言葉!

あまり知らないけど、知れば使える「ほぞをかむ」の意味や使い方について、一緒に見ていきましょう!



ほぞをかむの意味・読み方とは?


「ほぞをかむ」とは「ひどく後悔すること、どうにもならないことを悔やむこと」を例えた言い回しです。



意味をもう少し掘り下げますと「悔しいことが起き、それに対して残念がる」気持ちを表しており、他の言葉で言い表すならば「唇を噛む」「歯噛みする」「悔しさを噛みしめる」とも言えます。

どれも「噛む」という表現を使った言い回しで、なんとなく「ほぞをかむ」ということについてイメージできたのではないでしょうか。

ちなみに「ほぞをかむ」を漢字で表すと「臍を噛む」となります。

ここで「臍」というあまり見慣れない漢字が出てきましたが、これは人体の「へそ」を表しているということ。

ですので「ほぞをかむ」とは、直接的には「へそをかむ」ということになりますね。


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ほぞをかむの語源とは?

では、語源の説明に移る前に「へそをかむ」ことについて考えてみます。

当然ですが、あなたは自分の「へそをかむ」ことはできますか?

TVなどで、びっくり人間(古いかな?)として紹介されるような人ならいざ知らず、多くの人はできないと思います(笑)

  1. 自分のへそを噛もうとしても口に届かない
  2.            ↓

  3. それでも噛もうと努力するが、それができずにイライラする

このように考えると「ほぞをかむ」とは「悔やんでも、どうしようもないこと」を表すことわざである、と理解できますね^^


ここでの注意点は「不可能であること」を表しているのではなく「その結果に残念がる」という状態を表しているのだということ。

正しい意味として使えるようにしましょう!


また「ほぞをかむ」は、昔の中国で書かれた書物の一つ「春秋左氏伝」からきているとも言われています。

一般的に、ことわざは「何かの場面をある状況に例えている」ことが多いです。

昔の人はうまいことを言ったものですね。


ほぞをかむ

ほぞをかむの使い方・例文

ここまで「ほぞをかむ」の意味や語源について見てきました。

では、実際にこの言葉を使ってみたいと思います。


例えば、ビジネスの場面。

お客様とのアポイントも取り、準備万端で挑もうとしましたが「不覚にも面談に遅刻してしまった」とします。

お客様は、当然ながら怒ってしまい、私がついた頃にはお客様は帰ってしまいました…

そのとき、私はさぞかし「ほぞをかんだ」ことでしょう。


また、遅刻せずに面談できた場合でも、準備万端だったはずの資料が一枚足りない!

そんな場面でも「ほぞをかむ」という表現が使えます。

このように、過ぎてしまったことは、悔やんでもどうにもならないことなのだけれども、そのことに対してひどく後悔する場面で「ほぞをかむ」という言い方をします。


学生時代の例でいえば、テストで悪い点数を取ってしまった場合。

「あの時もっと勉強しておけば良かった」と「ほぞをかむ」こともあるでしょう。(自分でも耳が痛いことですが)


使い方はこのようになりますが、ここで「後の祭り」という言葉にも触れてみたいと思います。

一見すると、同じ意味として使われそうですが、厳密にいうと違います。

意味合いとしては「手遅れ」に近いので、どちらかというと「~をしてほぞをかんだが(そう思ったところで)後の祭りだ」という使われ方をします。


最後に英語の表現にも触れておきましょう。

  • to regret bitterly
  • to be very sorry

「regret」は「後悔する」、「bitterly」は「とても、ひどく」

また「sorry」は「申し訳ない、残念に思う」という意味になりますので、全体としては「ほぞをかむ」ということであると理解できるのではないでしょうか。


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まとめ

いかがでしたか。

「ほぞをかむ」という言葉の意味などについて見てきました。

「ほぞをかむ」は「へそをかむ」ということから「それができずに悔しがる、残念無念である」という状況を表すことわざです。

あまりお目にかかりたくない言葉のようですので、できるならば「ほぞをかみたくない」ものですね(-_-;)


またDIYをしたことがある人は詳しいかもしれませんが、建築関係でも「ほぞ」という言葉は見かけます。

例えば、2つの木材を組み合わせる際、一方の木材には溝を作り、もう一方には出っぱりを作り、それらをはめ込むことで木材を結合させることもあります。

その出っぱりを「ほぞ」というのですが「ほぞをかむ」でいうところの「ほぞ」とは違います。

漢字が示すように「臍」=「へそ」であることも覚えておきましょう。


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