「ごちゃごちゃ御託を並べるよりも論より証拠だ!結果を出せ!」
営業の人が、上司に叱られている。
そんなシーンを想像してしまうようなセリフですね。
ところで、「論」とは何のことなのでしょうか?
何となく「説明」とか「言い訳」のような気はするんだけれど…
雰囲気やイメージで使ってしまっている言葉って意外と多いですよね。
そこで今回は、そんな言葉のひとつ「論より証拠」の紹介です。
もしも、思い描いている、雰囲気やイメージが間違っていたら大変!
そんなことにならないように、意味や語源・使い方をしっかりと見ていきましょう!
論より証拠の意味・読み方!
ちなみに論より証拠は、江戸いろはかるたの「ろ」として使われているんですよ。
と、言うことは…
江戸時代から使われている古い言葉なんですね。
私は、古い言葉って何だか説得力がある気がしてしまいます。
そんな「論より証拠」は、いったいどのようにして生まれた言葉なのでしょうか?
次の章で、言葉の成り立ちを見ていきましょう。
論より証拠の語源・由来とは?
残念ながら「論より証拠」に語源らしい語源はありません。
ということで、今回は「論より証拠」を単語に分けて意味を掘り下げて紹介していきますね。
では、まずはじめに「論」です。
何だか、聞きなれない単語ですよね。
「結論」や「理論」というふうに、何かの漢字とセットになっているのはよく見かけますが…
「論」は「物事の筋道を述べること。また、その述べたもの。意見。」という意味です。
簡単に言えば、「なぜそういうことが起こったのかや、正しいことなのか間違いなのかなどを順序に説明していくこと。」ですね。
なるほど!「なぜそうなったかを説明した結び」だから「結論」。
「正しいことなのか間違いなのかを整理して説明したもの」だから「理論」。
と、言うんことなんですね!
「証拠」の意味はというと…「事実・真実を明らかにする根拠となるもの。あかし。しるし。」です。
ふたつの意味を合わせると….
「なぜそういうことが起こったのかや、正しいことなのか間違いなのかなどを順序に説明していくことよりも、事実・真実を明らかにする根拠」という意味になりますね。
う~ん、何だか尻切れトンボ…
ここで、ことわざや慣用句の特徴のひとつを紹介!
「体言止め」という技法が使われていることが多いのです。
(「体言止め」とは、語尾を名詞・代名詞などで止める使い方のことです。)
と、言うことは隠れている言葉があるのだと考えることができますね。
この場合は、「論ずるよりも証拠を見せることのほうが大切だ!」や「論ずるよりも証拠を見せることのほうが手っ取り早い!」っといった具合でしょうか。
これを踏まえて、もう一度ふたつの単語の意味を合わせてみましょう。
「なぜそういうことが起こったのかや、正しいことなのか間違いなのかなどを順序に説明していくことよりも、事実・真実を明らかにする根拠を見せるほうが大切だ。」となりますね。
ここでようやく、「論より証拠」の意味にたどり着くことができました。
論より証拠の使い方・例文
では、「論より証拠」の正しい使い方とはどういった使い方なのでしょうか?
例文を使いながら使い方を紹介しますね。
と、このように「論より証拠」を使います。
「証拠になるようなものをを見せたほうが手っ取り早い!」。そんな状況の時などに「論より証拠」を使って表現してみてくださいね。
まとめ
いかがでしたか?
「論より証拠」の意味や語源・使い方を見てきました。
最後に、「論より証拠」の類語と英語表現を紹介します。
類語には、
- 百聞は一見に如かず:百回人から聞くよりも、一度でも実際に自分の目で見て確かめる方が早い。
- 聞いた百より見た一つ:「百聞は一見に如かず」に同じ
- 鯛も鮃も食うたものがその味を知る:何事も実際に経験しないと分からない。
- 証拠が先:「論より証拠」に同じ
- 論をせんより証拠を出せ:「論より証拠」に同じ
などがあります。
英語だと、「Seeing is believing.(目に見える証拠)」で表現できますよ。
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