家族でジェスチャーゲームをして遊んでました。

すると子供が辞書を見ながら、「木で鼻をくくる」とリクエスト。

私が出した答えは、「パーースーーー!」


意味が分からない


くくるって縄で縛る(くくる)って意味だと思うのですが、そもそも鼻を縄で縛ることってできない…。

私が想像したのはバラエティー番組の罰ゲームの一種の「鼻フック」。

鼻に巨大なフックを引っかけて木の上から吊り下げた後に、本人を縛ると出来上がり!
…無理ですよね(-_-;)


そこで今回は、木で鼻をくくるの意味と使い方について紹介します!

今度はパスしないで済むように、一緒に見てみましょう。


木で鼻をくくるの意味・読み方とは?


「きではなをくくる」と読み、漢字で「括る」とも書きます。

意味は①無愛想に応対すること。②冷淡にあしらうこと



相手から無愛想な態度でもてなされたり、相手から不機嫌な対応をされた時に使います。

しかし、なんで無愛想な対応を「木で鼻をくくる」と言うのでしょう?

語源を調べてみると、納得する答えが見つかるかもしれません。


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木で鼻をくくるの語源とは?

本来、「くくる」は「こくる」と書きました。

それが誤用されいつの間にか「くくる」が定着して現在の「木で鼻をくくる」になったとされます

「こくる」の意味は、強く擦る(こする)ことを言います。


江戸時代の商家では丁稚(でっち)に当時は貴重品であったちり紙(今のティッシュペーパー)を使わせないで、木の棒で鼻水をこすらせていました。

その様子がひどく無愛想にもてなすこと、冷淡な態度をとることを「木で鼻をこくる」と言うようになり、いつしか「こくる」が誤用されて「くくる」になりました。

木で鼻水を拭うのってかなり痛そうですね…。


木で鼻をくくるの使い方・例文

「木で鼻をくくる」の使い方・例文をご紹介しますね。

 相手の対応が冷淡、素っ気ない、無愛想な様子に使います。

例えば、

「計画案見直しを打診したが、木で鼻をくくったような対応にいら立った」

「当主へのお目通りを願い出たが、番頭からは木で鼻をくくったような返事が返ってきた」

など、応対している相手の無愛想な様子やこちらの要望をまったく聞こうとしない様子が表れます。


英語での例文を紹介すると、

blunt(形容詞)(無愛想な、ぶっきらぼうな)を使って、a blunt manner.(無愛想な態度)もしくは a blunt answer.(無愛想な返事などと表現。

英文にするときはgive(動詞)(示す、する)を使います。

例えば、
He give me a blunt manner.(彼は無愛想な態度だ。)
She gave me a blunt answer.(彼女は無愛想な返事をした。)
などと書きます。


また、unfriendly(形容詞)(友好的ではない)を使うとより相手が冷淡な対応をしたかを表現できます。

He gave me an unfriendly a blunt reply.(彼は木で鼻をくくった返事だった。)
unfriendly ~ を使ったほうが【木で鼻をくくる】に意味合いが近いです。


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まとめ

いかがだったでしょうか。

「木で鼻をくくる」の類義語を紹介しますね!

「取り付く島もない」「にべもない」「けんもホロロ」「目もくれない」「歯牙にもかけない」「素っ気ない」などがあります。

すべて無愛想な対応をされるという意味です。


ちなみに、「木で鼻をくくる」が誤用された類義語があります。

「杵で鼻をこする」「木っ端で鼻かむ」「立木へ鼻こする」「拍子木で鼻かむ」「木で鼻をかむ」「木で鼻」がそれです。

「木で鼻をくくる」を聞き間違えたり、言い間違えた結果、これらの類義語が誕生しました。

何故そんなことになったのでしょう?

江戸時代は参勤交代で、地方から江戸に大勢の人がやってきました。

現在のような共通語が存在しなかった江戸の町では、地方出身の武士たちが出身地の方言をそのまま使っていたようです。


さらに、江戸の町に住む一般市民たち、いわゆる江戸っ子もまた独自の話し方。

その言葉使いを「べらんめえ口調」とも「江戸言葉」とも言います。

江戸の町にいる人たちがそれぞれの訛りで会話をしていた結果、「木で鼻をくくる」から多くの類義語が生まれることになりました。


なんだか江戸時代の人たちの適当さが伝わってきそうですね?

初めは意味も分からなければ、語源も想像がつかないことわざでも、調べてみたら当時の人々の生活の様子が見えてきて面白いですよね(#^.^#)