先日、ある漫画を読んだ中で、主人公の父が経営する会社が倒産してしまい、
「すまん。努力はしたんだが…刀折れ矢尽きてしまったよ。」
「お父さん…」
と言うシーンがありました。
話の流れで何となく意味は分かるのですが…ん?刀?矢?と頭の中は「?」だらけ…。
あなたも、私と状況は違うにしろ、周りの人から言われたり、言っているのを見たりして、「刀折れ矢尽きる」の意味が分からずモヤモヤしていませんか?
そこで今回は「刀折れ矢尽きる」の意味や使い方について、詳しく説明していきますね!
スッキリするために、一緒に見ていきましょう。
刀折れ矢尽きるの意味・読み方とは?
同じような意味の言葉として「万事休す」「弓折れ矢尽きる」などがあります。
つまり、もうなすすべがなくお手上げ状態で後がない様子。
逆に言えば、他に方法があったり少しでも望みがあるときは、まだ「刀折れ矢尽きていません」(笑)
冒頭の漫画のシーンでは、主人公の父は「倒産しないように、様々な手段を尽くし、やることは全てやったが駄目だった」と言っていたんですね。
ちなみに、「矢尽きて刀折れる」と間違える人が多いのでご注意ください。
ではなぜ、「刀折れ矢尽きる」が「物事に立ち向かう手段が無くなること」を意味するのでしょうか。
刀折れ矢尽きるの語源とは?
「刀折れ矢尽きる」の語源は、その言葉から少し想像できると思います。
時代劇などの戦う場面で、人達は馬に乗り、刀を持ち、弓矢を背負っていますよね。
一斉に走り出し、相手軍と激しい戦いになるのですが、相手に押され、持っていた刀は折れてしまうし、矢も全て射ってしまったとすれば…。
刀で切られるか、矢で射抜かれるか。馬から落ち、大怪我をする人もいれば、命を落とす人も…。
こうなってしまえば、自分達の負けを認めるしかありませんよね。
このことから「刀折れ矢尽きる」とは、刀も折れ、矢も射尽くしてしまい、もはや戦う手段が全くない状態になり、戦いに破れて散々な有り様になることから、「物事に立ち向かう手段が尽きること」として表されるようになりました。
では「刀折れ矢尽きる」は、実際にどういうときに使えば良いのでしょうか。
刀折れ矢尽きるの使い方・例文
「刀折れ矢尽きる」は「様々な手段を尽くしたが駄目だった」と言った「負け」や「終わり」を意味しているので、「刀折れ矢尽きるまでやった結果、成功した。」なんて文は矛盾しているため、おかしいですよね。
この様なときは、
「刀折れ矢尽きるまでやろうと言う気持ちでやった結果、成功した。」とすれば良いのではないでしょうか。
また、これは私の考えですが、「精一杯やったけど惜しくも負けてしまった」と言った悔いの残らないような状態ではなく、「精一杯やったけど全く歯が立たなかった」と言った、物凄く差をつけられて負かされてしまった状態のような気がします。
つまり、「刀折れ矢尽きた状態」とはもう何も無くなった、まるで抜け殻のような状態ではないでしょうか。
なので、「僕たちは精一杯やった。そして刀折れ矢尽きたのだ。悔いはない。」と言うように、終わってから心が晴れ晴れとしている様な表現も違うと思います。
実際は、あなたや回りの人が、物事に立ち向かい、あらゆる手段を尽くしたけれど、散々な結果に終わってしまったときに使ってください。
- バレーの全国大会の初戦。相手は優勝候補の強豪校だ。終始試合は相手のペースで何とかこっちのペースに持ち込めないか頑張ったが大差をつけられて負けてしまった。おまけに足を捻って靭帯を損傷してしまい、刀折れ矢尽きた気分だった。
- 私の友人が犯人に疑われた。私は事件場所周辺の聞き込みをしたり、アリバイを調べたりと寝る間を惜しんで走り回ったのだが、結局無実を証明することはできず、刀折れ矢尽きてしまった。
- 彼女は結婚詐欺に合ってしまった。結婚相手には逃げられ、1000万円を騙し取られ、借金の保証人にさせられと、刀折れ矢尽きた状態だった。
- 彼は大きな病気にかかり、長期間入院していた。昨夜、様態が急変し、緊急手術。しかし、他界してしまった。意思からは「やれることはやったのですが…刀折れ矢尽きました。」と告げられた。
うーん、暗い話ばっかりですね…。
まとめ
いかがだったでしょうか?
「刀折れ矢尽きる」と言葉だけでは少しかっこいいような気もするのですが、「戦いに破れて散々な目に合うこと」なのであまり自分では経験したくないことですね(^_^;)
大抵のことは「駄目かも」となってしまっても、他に方法はあったりしますからね。
しかし、長い人生なので、刀折れ矢尽きる経験もあると思います。
そんな時、「あぁもう終わりだ…」となってしまうと思いますが、「どうあがいても駄目だったんだ」と気持ちを切り替え、周りに助けを求めたり、違う道を選ぶなどして、また新たな1歩を踏み出して欲しいと思います。