今回は「夜の帳が下りる」という言葉について、意味や語源、使い方を紹介していますね!
ところで「夜の帳」とはなんのことなのでしょう?
帳と言えば、帳面、手帳、ノートなどが思い付きますが…メモ帳か何かのことですかね?夜は暗くてメモ、書けないのになぁ…
なんて、連想ゲームのように考えてしまいますが、これはメモ帳のことではありません!
私の個人的なイメージですが、ファンタジーにでも登場しそうな、幻想的な雰囲気を持った言葉なんですよ!
では、早速解説をしていきますね!
夜の帳が下りるの意味・読み方は?
メモ帳は全く関係ありませんでした!
難しい言葉を使うわりには、意味は単純な印象ですよね。
それにしても何故こんな意味があるのでしょう?特に「帳」この部分がとても気になりますよね。
それも含めて、「夜の帳が下りる」の語源について説明していきますので、一緒に勉強していきましょう!
夜の帳が下りるの語源とは?
では早速「夜の帳が下りる」の語源ですが、まずはとても気になる「帳」について考えていきましょう。
「帳」(音)チョウ (訓)とばり と読みます。
- 長い垂れ幕、とばり
- 記入用の冊子
という意味があるんですね。メモ帳は②の冊子のことでした!
その中でも「とばり」は帳、帷、幄などと漢字の表現がいくつかありまして、一般的には「帳」が用いられます。
- 室内に垂れ下がる布、外部との隔てとして使う布
- 物を覆い隠すもの、物を隔てて区切るもの
などという意味があるんです!
「帳」がつく身近な物だと、「蚊帳(かや)」があげられます!現在はほとんど使われていないので、若い人は知らないかもしれませんね。
「蚊帳」は天井からテントの様に布を垂らして、その中で眠ることで蚊の侵入を防ぐものです。
そして「帳」とはそのように仕切る「布」のことですので、現代でいう「カーテン」のような物なんです!
夜になるとカーテンを閉めるのと同じで、昔も夜になると帳を下げていたそうです。
「帳を下げる」=「夜になった」ということですから、その様子を「夜の帳が下りる」と表現するようになったと言われています。
また、別の視点からの考え方もあります。
暗くなってくるとぼんやりと夕日が沈み、地平線や遠くの山は空の上の方から少しずつ暗くなっていきますよね。
月と星が見え始め、鳥が巣に帰り、辺りは静寂に包まれて独特の雰囲気が流れ始めます。
やがて夜がやって来て真っ暗になり、正に「夜が帳が下りる」状態になります。
移り変わっていく空の色と静かな情景は、まるで空に大きな夜の帳が下りてきているように見えませんか?
そんな空は「明日もがんばろう!」と前向きに思えるような綺麗な光景ですよね!
その幻想的な様子を「帳」に例えた言葉が「夜の帳が下りる」なんです!
カーテンの件もしかり、夕暮れの様子がうまく表現されている言葉ですよね!
昔の人の考えや感じ方は本当に情緒的で素晴らしいものがあります。
夜の帳が下りるの使い方・例文!
では、「夜の帳が下りる」は実際にどのように使う言葉なのでしょうか?使い方の例文をあげてみますね!
- 「そろそろ夜の帳が下りる時間だ」
- 「夜の帳につつまれる」
このように使うことが出来ますよ!
1つ目はそろそろ夜になる、日がくれる時間だ、という意味です。
そして2つ目は「つつまれる」と表現してみました!これもよくある使い方で、空が暗くなっていく様を表しています。
個人的には2つ目の方が幻想的な雰囲気が増して、とても好きな表現です!
どちらも正解なので、あなたも好きな方を使ってみてくださいね!
さいごに
最後に「夜の帳が下りる」の関連語を紹介したいと思います。今回は「夜」について注目してみましょう!
- 「夜の殿」
- 「夜の衣を返す」
- 「夜の錦」
「よるのとの」と読み「きつね」の異名なんです!きつねは夜行性なので、そこから来ていると言われていますよ。
「よるのこもろをかえす」と読みます。「夜の衣(寝間着)を裏返して寝ると、夢で恋しい人に会える」という言い伝えが由来した言葉です!
なんだか素敵な言い伝えですよね!
「よるのにしき」と読み「どんなに美しい錦(とても豪華な着物)を着ても、誰も気がつかないことから、効果がない、無意味なこと」という意味があります。
確かに暗いところでは折角の錦が無駄になってしまいますよね。
今回は「夜の帳が下りる」について説明してきました。どんな印象を持ちましたか?
昔の人はあらゆる自然現象をいろんな事に例えてきました。
夜が暗くなっていくのは当たり前の光景なのに、それを「帳」に例えて言葉を作るなんて、すごく素敵なことだと思いませんか?
当たり前のことでも当たり前と思わずに、日々生活していきたいものですよね。
暗くなってくる頃、これが「夜の帳が下りる頃なんだなぁ」と空を眺めてみてください。
そしてその美しさを改めて人に伝えてみてください!
「夜の帳が下りる頃」が楽しみになること間違いなしです!
関連記事(一部広告含む)