「火に油を注ぐようなことをして!」なんて言葉をよく耳にしますよね。
この言葉が表すのは「怒りに拍車をかける」ような意味のはず…
でも、火を燃え続けさせるために油を注ぐことは必要なことなのに何がいけなんでしょう?
よく耳にする言葉だけれど、どうしてそんな風に表現するのかはわからない。そんな言葉は、意外と多いものです。
今回はそんな言葉のひとつ「火に油を注ぐ」の意味や使い方について紹介します!
あなたも、「これってこんな理由で使われているんだよ。」なんて話せるように、きっとなれるはずですよ。
それでは一緒に見ていきましょう。
火に油を注ぐの意味・読み方!
残念ながら、意味を見ただけでは疑問は解けそうにありませんね。
次の章で、語源を見ていくことにしましょう。
火に油を注ぐの語源・由来とは?
「火に油を注ぐ」の語源はローマにあります。
ローマの歴史家、リウィウスの
「もしあなたが火に水を注いだなら火は消える。 だが、もし注いだのが油なら火はより燃え盛る。もし、火を何かの問題と置き換えたなら、その問題をより悪くするのは油である。」
って言葉が語源なんですよ。
言葉の中に「より悪くする」という表現がありますね。
「火を何かの問題と置き換えたなら」と何を比喩しているのかも、明確に記されています。
「火」を「何かの問題」と置き換えているなら、燃やし続けたいのではなくどちらかと言えば「消したい」はず…
ですから、「油」は注いではいけなかったのですね。
ものすごくわかりやすい語源でした(*´▽`*)
火に油を注ぐの使い方・例文!
では、「火に油を注ぐ」はどういったシーンで使うのが正しい使い方なのでしょうか?
例文を使いながら紹介しますね。
と、その前に…
実は「火に油を注ぐ」には、混同されがちな言葉があります(;゚Д゚)!
「火に油を注いだように、よくしゃべる。」なんて言葉を耳にしたことがないでしょうか?
実はこちら「べらべらとよくしゃべる様子。」を表す言葉「油紙に火が付いたよう」と「火に油を注ぐ」を混同してしまっている例なのです。
「火に油を注ぐ」の意味は「勢いの激しいものに、いっそう勢いを加えること」です。
しかしこの場合の「勢いの激しいもの」は悪いことをさしています。
また「良い状況がより良い方向へと進む」ことを表現するような使い方に誤用ですね。
例えば、「盛り上がっているライブにゲストが登場し、火に油を注いだように盛り上がった。」といった使い方がそうです。
間違いやすいので気を付けましょうね。
では、正しい火に油を注ぐの使い方を見ていくことにしましょう。
「怒っている人をさらに怒らせること」という意味で「火に油を注ぐ」を使っています。
この場合の「火」は「お母さんがイライラしていること」で「油」は「お兄ちゃんが言った余計なこと」ですね。
先ほどの例文と同じく、「怒っている人をさらに怒らせること」をしてしまったことを表している例文ですね。
「悪い状況をさらに悪化させること」がないようにしよう、と気を付ける意味で使っている例ですね。
このように、「火に油を注ぐ」ことがないように注意するのは大切なことですね。
と、このように「火に油を注ぐ」を使います。
「悪い状況をさらに悪化させて」しまったときや、「怒っている人をさらに怒らせない」ようにしたい場合などに「火に油を注ぐ」を使って表現してみてくださいね。
まとめ
いかがでしたか?
「火に油を注ぐ」の意味や語源・使い方を見てきました。
「火に油を注ぐ」は、「悪い状況を悪化させること」を表す意味の言葉でしたね。
他にも、こんな言葉で表現できるんですよ。
- 波風を立てる:雰囲気を悪くさせたり、面倒ごとが増えるような行為をすること。
- 駆け馬に鞭(むち):もともと早く走っている暴走馬に鞭を打つことでさらに速度を上げさせるように、状況を悪化させること。
- 事を荒立てる:物事をもつれさせ面倒にする。
- 煽り立てる:物事をさらに面倒なことにすること。
英語表現だと、「Add fuel to the fire(火を扇る)」や「Bring oil to the fire(火のある所へ油を持ってくる)」で表現できますよ。
関連記事(一部広告含む)