「Sさん、さっきプリントアウトしてくれた注文書持って行った?」

「えっ、T部長にわたしましたよ~。持たれてるヤツちがんですか?」

「これ、見積依頼書やねん…おかしいなぁもらったはずやのに…」

「なんか狐につままれたみたいな感じやわ。」


狐につままれる


ついさっき私と部長が交わした会話です。

「狐につままれた」なんて久しぶりに聞きました。

「狐につままれた」は、実際に調べたわけではないのに、何となく意味や使い方を知っている言葉の一つではないでしょうか?

でも、狐って犬や猫のような手(足か!)をしていたはず…つまめないよね…

いったいどこから、この言葉はきたんだろう。

といった訳で、今回は「狐につままれる」の紹介です!

意味や語源はもちろんのこと、実際に使われそうな例文も交えて紹介しますので最後までお付き合いくださいね(*^-^*)

それでは、まずは意味と読み方からスタートです。

一緒にみていきましょう。



狐につままれるの意味・読み方!


「狐につままれる」「きつねにつままれる」と読みます。


意味は、

  • 意外な出来事にあって、どうしていいかわからず唖然(あぜん)とする。
  • 意外な事が起こりに何がなんだかわからなくなり、茫然(ぼうぜん)とする。
  • 驚いてきょとんとする。ぽかんとする。
  • 呆気(あっけ)にとられる。

です。



「狐につままれたよう」や「狐につままれたような気分」とも言われます。

「まるで本当の事とは思えないようで信じられない。」「実は騙されているんじゃないの?」といった状態になり、「ビックリ仰天!」や「開いた口が塞がらない(゚O゚)」といった感じでしょうか。


意味を深く理解するために、もう少し掘り下げてみましょう。

「つまむ」は漢字で書くと「抓む」となります。あれっ、「狐」に漢字が似ていますね。

「狐」を「抓」と書かないように注意しないといけませんね。( ..)φメモメモ

パソコンやスマホ・タブレットで見ているあなたには見にくいかもしれません。

けものへんにウリが「狐 きつね」・てへんにツメが「抓む つまむ」です。


意味は、

  • 人をだます。
  • 化かす。
  • 愚弄する。
  • 人を嘲(あざけ)る。

です。

使い方としては、ほとんどが「つままれる」という受け身の形になります。

「狐につままれる」がそうですもんね。

摘む( 指や棒などの先で挟んで持つ)ではありませんので注意してください。

こちらの「摘む」だと、「ドコをつまむねん!」と突っ込まれそうですし意味が変わってしまいますから(笑)

「つま(抓)む」の意味はわかりましたが、なぜ「狐」なんでしょうか?

犬や猫ではダメだったのでしょうか?

その疑問を解決するために、語源を見ていくことにしましょう。


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狐につままれるの語源・由来とは?

「狐につままれる」で犬でも猫でもなく「狐」が使われているわけは、ズバリ「狐」のイメージです。

古来より狐には悪いイメージがありますよね。

その理由は、仏教の影響が強く出てしまっていることにあります。

仏教の教え、それに加えて物語や伝説では、狐は妖怪や悪い動物として描かれていることが多く、悪いイメージがつきまとっているのです。


例えば…
「玉藻前(たまものまえ)」がそうですね。

平安時代(794年~1185年)の末期に鳥羽上皇の寵姫であったとされる「玉藻前」(もちろん伝説上の人物ですよ)は妖狐の化身であり、中国や日本の都に訪れて王やその地を惑わしたと言われているんです。

これは妖狐が人に化けて騙すお話の代表です。


イソップ寓話での狐も「ずるい狐」や「狐と鶴のご馳走」などで描かれているとおり「狐はずる賢いヤツ」とされています。

もともと、狐やタヌキは化けて、悪戯に人をだます動物としてみられていましたから、それに仏教の教や伝説・物語が拍車をかけてしまったのでしょう。

それに、「つままれる」という増長させる言葉がプラスされていて…

狐にしたら、とんだとばっちりですよね。


とは言ってもあくまでも、比喩表現。

本当の狐は、作物を荒らすネズミやスズメを追い払う益獣で豊作の立役者だったことを知っておいてあげてくださいね。

さらに、日本では古来より神様(お稲荷様)のお使いとして知られてます。

神さまの使いのはずが、妖怪なんて!

それこそ狐にとったら、「狐につままれたような!」ですね(´∇`)ケッサク


狐につままれる

狐につままれるの使い方・例文!

さあ、次は実践をふまえての例文作りです。

試合開始早々の先制点。

「よっしゃ!」と思っていた矢先にシュートを決められた。

ほんの10秒程度の出来事で、チームメイト全員が狐につままれたような顔になってしまった。


昨日は「素晴らしい!」と評判のよかった僕の提案。

一夜明けたら、手のひらを返したような低評価に(;´д`)

一体何があったのかわからない僕は狐につままれたような気分だよ。



いかがでしょうか。

状況が理解できずに、ぽかんと呆気にとられて立ち尽くすようなシーンが思い浮かびましたか。

それとも、身に覚えのないようなことを聞かされ、ぽかんとあっけにとられてしまうような状態だったのでしょうか。

次の例文のは、そのどちらとも取れそうですね。

コンビニを出ようとしたとき、いきなり店員さんに「万引きは犯罪ですよ!」と呼び止められた。

おどろいた僕はその時、狐につままれたような顔をしてただろう。

結局、店員さんの思い違いだったんだけてど、酷い話だよ。



なんて具合に使いましょう。


同義語には、

  • 青天の霹靂(せいてんのへきれき):予想もしなかった事件や出来事が突然おこり驚くこと。
  • 寝耳に水:予測していない不意な出来事や報告に驚くこと
  • 藪(やぶ)から棒:いきなり考えていもいないことが起こる。もしくは、いきなり何かをやること。

がありますよ。


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まとめ

いかがでしたか。

「狐につままれる」の意味や語源・使い方・についてご紹介してきました。

仏教の教えや伝説・逸話の影響で、「人を騙す」や「ずる賢い」イメージがついてしまった狐ですが、実はそれらのせいばかりとは言えないんです。

狐はもともと頭が良く、人間が仕掛けた罠にかからずにしか餌だけを上手くさらう。そんな習性があるんです。

頭がよくて、おまけにすばしっこい。

人間には簡単に捕まえる事ができない。得体の知れない動物。

そんなところから、「妖怪」だの「人をだます」だの言われてしまったのかも知れません。

ちなみに、狐が化けるのは女性・タヌキが化けるのは男性らしいですよ。

「この、女狐が!」「この、タヌキオヤジ!」なんてセリフ、ドラマなんかで聞いたことあるじゃないですか(。 >艸<
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