約束時間の1分前に到着したらすでに先輩が先に待っていました。

「先輩!遅くなりました。」と一声掛けたまでは良かったのですが「こういうときは少なくとも5分前と相場が決まっているだろ!」とのお叱りの声。


相場が決まっている


あわてて「すいませんでした。」とお詫びするのでしょうが、もし「相場が決まっている」の意味が分かっていないと、訪問先でもずっと気になって仕事に集中できなかったなんてことも…

「相場=お金」を連想しがちですが、はたしてこの場合の「相場が決まっている」とはどのようなことを指していたのでしょうか。

今回は、相場が決まっているの意味や使い方について紹介しますね!



相場が決まっているの意味・読み方は?


「相場が決まっている」は「そうばがきまっている」と読みます。

意味は「慣習や社会通念によって大体の結論がでている」ということを例えた言葉。



冒頭部の例で先輩は、「待ち合わせ場所には大体5分前には到着しているものだろう」と伝えたかったのですね。

もちろん法律で決まっているわけではないのですが、マナーやルール、モラルにのっとれば「そうすることが妥当」「まあそんなもんだよね」みたいなことを表したい場合に使う表現です。


スポンサーリンク


相場が決まっているの語源とは?

では、あらためて「相場」の意味を確認してみましょう。

  • 市場で取引されるその時々の商品。株式、債券、外国為替などの値段
  • ある物事についての世間一般の考え方や評価



辞書にはこのようにあります。

「相場」自体はよく見かける言葉ですよね。


例えば「一人暮らしの生活費の相場は?」「大卒初任給の相場は?」のように。

一人暮らしの生活費の相場は10万円前後、大卒初任給の相場は15万前後、大体このくらいでしょうか。

明確に決まっているわけではないのですが、およそこんなものだろうというときに使うのが「相場」です。

値段や金額のことに触れる場合に良く使われる言葉なのですが、「相場が決まっている」の場合は必ずしも金額のことに限りません。

いろいろな物事に対して、「世間一般の考え方はこういうもの」と表す場面でも使われる言葉です。


相場が決まっている

相場が決まっているの使い方・例文!

それでは実際に「相場が決まっている」を使いそうな場面を見ていきましょう。

例えば「横綱は勝つものと相場が決まっている」

確かに横綱は強い存在ですので勝つ確率が高いのでしょうが、必ずしも勝つわけではないですよね。


ただし、あまりにも決まりきったことに対して「相場が決まっている」と使ってしまうとおかしな表現と言われてしまうかもしれません。

「赤信号は止まるものだと相場が決まっている」

この場合だと「止まらなくとも良い赤信号はあるの?」と疑問が残ってしまいます。

これと似たような場面で、例えばCMで見かける「テントウムシを見かけたから止まらなきゃだめだよ。」と子供が大の字で行く手を遮ろうとしたとき。

なんともほほえましい場面ですが、こんなときは「そうだよね。赤は止まるものだと相場が決まっているからね。」などと声をかけても良いかもしれませんね。


他の使い方としては

  • 博打は負けるものだと相場が決まっている
  • TVは3m離れてみるものだと相場が決まっている
  • 猫と言えばコタツと相場が決まっている



「~と相場が決まっている」のように使う場合が多いでしょうか。

意味は「おおよそ~というものだろう」と表しています。


また、地域や各家庭の風習に対して使う場面も

  • ウチでは目玉焼きにはソースと相場が決まっている
  • 家を建てるときは屋根から餅を撒くものだと相場が決まっている
  • 朝はブラックコーヒーだと相場は決まっている



しかし、あまりにも少数派や「自分はこうだから」といった意見に対してこの言葉を使ってしまうと「いやいや決まってないから…」と思われてしまう場合もあるので注意が必要です。


最後に英語の表現についても触れてみます。

  • market prices are fixed
  • It has decided market.



このように使います。

「market」は「市場」という意味ですのでどちらかと言えばお金の動きを表す場面で使われる表現でしょうか。

一般的な事柄についての例文だと

  • Summer is almost by definition a hot season.(夏は暑いものと相場が決まっている)

このようなかたちで表すこともできます。


スポンサーリンク


さいごに

いかがでしたか。

「相場が決まっている」の意味や語源、使い方について見てきました。

おさらいしますと、「相場」は「その商品の価値」という意味なのですが転じて、「いろいろな物事に対して一般的にはこういうものだろう」と表す場面で使われる言葉だということが理解できたのではと思います。


ただし使う場面は、あまりにも少数派の意見や100%正しい意見に使ってしまうと「?」と首をかしげてしまう場面が出てくるかもしれません。

さて昔、私の家では下の歯が抜けた場合、新しく生まれ変わる歯がまっすぐ上に育つようにその抜け落ちた歯を屋根の上に放り投げる習慣がありました。

しかし、「下の乳歯は屋根の上に放り投げるものだと相場が決まっている」と言っていいものでしょうかね?


関連記事(一部広告含む)