会議の後などに、「鶴の一声」って言葉を耳にすることは良くありますね。

「社長の鶴の一声でやっと決まったんだよ〜」と、立場が上の人の発言で何かが決定したときに使われる気がします。


鶴の一声


しかし、本当にこの使い方で合ってるのでしょうか?しかも、なぜ上の人が鶴なのか…。

そこで今回は、鶴の一声の正し意味や使い方を紹介します!

語源についても詳しく紹介しますので一緒に見ていきましょう。



第鶴の一声の意味・読み方とは?


鶴の一声は、「つるのひとこえ」と読みます。様々な意見を持った人たちが議論しているときに、否応なしに従わせるような有力者・権威者の一言をあらわした言葉です。



他の人に文句を言わせないほどの実力がある人物が言った、影響力のある言葉のことですね。

まだ若い年代の人だと、会社の社長だったり、マネージャや店長だったり、生活していく上で有無を言わせない発言をしてくる人ってたくさんいます。

でも、なぜ数ある鳥類の中から鶴の声が影響力のある人の発言に例えられるようになったのでしょうか。気になりますよね。

次の語源のところで、その辺りを詳しく説明します!


スポンサーリンク


鶴の一声の語源とは?

続いて語源について説明します。

「鶴の一声」が決定力のある実力者の発言をさすのには、鶴の鳴き声に理由があります!

そもそも鶴は、普段はあまり鳴きません。ちょっとしたことがあっても、身をかわしたり、進路変更したりして危険と衝突することがないからです。

しかし本当に危険な状態に陥ったとき、四方に響き渡る大きな声で鳴きます


実は、鶴の首は長く鳴管と呼ばれる発声器官がほかの鳥より発達しているので、金管楽器のように大きく音を響かせることができるのです。

その鶴の鳴き声が大きすぎることと、普段鳴かない鶴が鳴くほど大変なことが起こっているということで、他の種類の鳥までびっくりして静まりかえるそうですよ(;゚Д゚)!


この状況が、鶴が威圧感のある鳴き声で他の鳥たちを静かにさせているように見え、周囲を従わせることができる実力者の一言を表すようになりました。

確かに、鶴が鳴いているイメージはあまりありませんね。周りの鳥たちが静まりかえるほどの鶴の鳴き声、少し聞いてみたい気がしますが(;´∀`)


鶴の一声

鶴の一声の使い方・例文!

では、続いて使い方と例文を確認していきましょう。

「鶴の一声」を使う場面としては、大勢で集まって意見を出し合っている状況で、物事を動かすほど影響力のある人の発言を例える時になります。

  • 社長の鶴の一声で次の会議の日程が決まってしまった
  • 長々と続いていた問題が、専門家の鶴の一声で解決した

どちらの例文も、影響力のある人の発言で物事が決まっていますね。

ただ、上の例文のように、本当は違う方が良かったんだけれど社長の発言で悪い方に決まってしまった…という風に、鶴の一声は、良い意味でも悪い意味でも影響力ある人の発言に対して使えます。


また、語源のときに鶴が滅多に鳴くことがないと説明しました。

このことから、いくら権力者や実力者でも、しょっちゅう意見を出してきたり命令を出してくる場合は「鶴の一声」という表現を使うことはできません
あくまで、たまに発言をする場合に限られます。


ちなみに、鶴の一声に似たことばで「天の声」(てんのこえ)というのがあります。

元は「天声」(てんせい)と同じ意味で天が人に伝える声・雷鳴などを表す言葉でしたが、転じて権力者や影響力の強い人物の意見も表す様になったそうです。

少し天の声は仰々しい感じがあるので、普段使うなら鶴の一声のが使いやすいですね^^


また、昔は「雀の千声より鶴の一声」というように、対になるかたちで使われることが多かったようです。

「雀の千声」(すずめのせんこえ)の意味は、スズメのような小さな鳥のたくさんの声から、つまらない人が集まってがやがや意見を言っている様子を表します。
対して、「鶴の一声」は鶴の鳴き声が甲高く四方に響くことから、実力者の一声のたとえられ、つまらない人たち(スズメ)のたくさんの意見より、有力者(ツル)の一言のが価値があることを表します。

他にも、雀の千声鶴の一声と似たような意味をもつ言葉として、「百星の明は一月の光に如かず」(ひゃくせいのめいはいちげつのひかりにしかず)があります。

多くの星を集めた光よりも一つの月の方が明るいことから転じて、多くの凡人がいても、たった一人の賢者がいることに及ばないことを意味する言葉。

意味は似ていますが、「雀の千声鶴の一声」は人の発言のこと比較してを表していて、「百星の明は一月の光に如かず」は人の能力を比較して表していますので注意してください。


スポンサーリンク


まとめ

今回は「鶴の一声」について意味・使い方などまとめてみました。

読み方は「つるのひとこえ」で、決定力のある人の発言を表します。鶴の鳴き声を聞いた周囲の様子からできた言葉でしたね。


まさか鶴の鳴き声が由来になっているとは思いもしませんでした(;゚Д゚)!

今は動物園以外であまり鶴を見かけることはありませんが、昔の人にとっては身近な動物だったんですね。

由来からしっかり確認したので、次に使う時は自信を持って使えると思います。

良い意味でも悪い意味でも、影響力のある人の発言を表しているので、使う機会は結構ありそうですよね。

今度機会があったら、ぜひ「鶴の一声」を使ってみてください!


関連記事(一部広告含む)