「言った、言ってない」「やった、やってない」と自分の正しさを主張して、口ゲンカをする二人。


埒のあかない


「埒のあかないケンカは、しててもしょうがないでしょ!」

「え??…まぁ、そうだけどっ。」

何となく意味は分かるのですが、「埒」って何!?その前に何て読むの?って言葉って結構多いです。


よく聞く言葉なら、出来れば正確な意味を知っておきたいところ!

そこで今回は、「埒のあかない」の意味や読み方などを紹介しますね^^



埒のあかないの意味・読み方とは?


「埒のあかない」は、「らちのあかない」と、読みます。

意味は、「うまくはかどらないこと」です。



学校でも習った覚えない字ですね。

「埒の明かない」以外では、まず、日常で使われることはなさそうです。

それだけに、この読み方は覚えておいたほうが良いかもしれません。

見たこともない漢字を使っているのに、はよく使われる慣用句。


解決しない、決着がつかない、終わらない、というように前に進めない状態を表します。

言葉の意味は分かったけど、「埒(らち)」って、なんでしょう。


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埒のあかないの語源とは?

「埒」とは、馬に乗るための場所をぐるっと囲んだの柵のこと

昔は、単純に低い柵のことも埒と言っていたそうです。

という事は、埒は柵という意味だから、「埒が開かない」と書くと思いますよね?

しかし、実は「開かない」ではなく、「明かない」と書きます


物理的に開く、開かないだけではなさそうです。

この場合は、埒 = 柵という物を表す言葉から、イメージを広げて考えると、なぜ「明ける」になるのかが分かりますよ。


例えば、競走馬の仕切りが開けば、馬は一斉に走り出します。

柵は動きや流れを制限するための物です。

そこから転じて、「埒」=「物事の区切り」や、「一定の限度」となったようです。

「明ける」には、一定の期間が終わるという意味があります。

また、柵が開く→状況がパッと明るく変わるとイメージできますね。

「年が明ける」などと同じ使い方なので、「埒=明ける」になるのです。


埒のあかない

埒のあかないの使い方・例文!

使い方ですが、例えば、壁の色を塗り替えようと絵画用の細い筆を持ってる人がいます。

そして、その細〜い筆にペンキを付けては、塗り、付けては、塗り…。

作業は果てしなく、永遠に続くかと思われます。

「いつまで、埒のあかないことをやってるの!?」


他には、「周りの人があれこれ騒ぎ立てるけど、本人に聞いてみないと、埒があかない」というふうにも使います。

「一人で考え込んでいたって、いつまでたっても埒があかない」などと、煮詰まっていて、埒があかないこともありますね。


ちなみに、もともとは、「埒のあく」の形で使われていたそうです。

意味は、明かないの反対で、「物事の区切りがつく」「かたがつく」という意味。

また、埒のあくことを「埒あき」と言って、テキパキとした気さくな人を意味する言葉でもあります。

「埒あき」という言葉は、なかなか聞きませんが、今で言う「デキる人」というのが、近いかもしれませんね。

昔は肯定系だった「埒」は、現代では圧倒的に「埒のあかない」という非定型で使います。


類義語としては、停滞して先に進めないという意味で、「袋小路(ふくろこうじ)」「暗礁(あんしょう)に乗り上げる」など。

袋小路は、最後は結局行き止まの細い小路です。

暗礁に乗り上げるとは、船が思いもよらない岩場に乗り上げてしまって、進むことも、さがることもできずに、身動きが取れないという状態。

また、柵があれば、一生懸命動き回っても、同じところをグルグル回っているだけになってしまいます。その状態は、「堂々めぐり」と言えます。

埒のあかない論争は、「ああ言えば、こう言う」「水掛け論」「押し問答」なども同じような意味ですね。


対義語はなんでしょうか。

「打開(だかい)する」という言葉があります。

意味は、行き詰まった状態をなんとか切り開くこと。

そして、打開するためには、「一点突破(いってんとっぱ)」という方法もあります。

埒のあかないときは、一点突破を目指してみるのも良いかもしれませんね。


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まとめ

慣用句やことわざは、よく知れば、生活の知恵のかたまりです。

困ったことを表す慣用句を知っていれば、反対の意味の慣用句や連想される言葉の中に、問題解決のためのヒントがあったりします。

慣用句を自由自在に操れば、人生のスキルアップにも役立つかもしれませんね。


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