ある会議の場で司会者から意見を求められました。

しかし、意気揚々と発した私の回答はどうやら的外れだった様子。

司会者は私の意見に対して一言も触れずに、すぐさま別の人へ…。


歯牙にもかけない


その後落ち込んでいる私に同僚は「あの時はまさに歯牙にもかけないって感じだったね」と言ってきました。

しかし、「歯牙にもかけない」の意味が分からなかったので「うん、そうだったね。」と答えただけ…。

このように意味の分からない慣用句に触れる機会は良くあります。

今回は「歯牙にもかけない」の意味や使い方について見ていきたいと思います。


歯牙にもかけないの意味・読み方とは?


「歯牙にもかけない」は「しがにもかけない」と読み「問題にしない」「相手にしない」という意味になります。



上の例では私の意見が的外れすぎたので、司会は全く相手にしなかったのですね。

この言葉は他にも

  • 物事に対して関心をもたない
  • うわさなどを気にせずまともに取り合わない
  • 目の前にあるものを困難であると捉えずに軽々と突破する



などの意味合いも含んでいます。


「気にかけない」「興味がない」「眼中にない」などの表現でも表すことができます。

他の慣用句で表すならば「取り付く島もない」「鼻にもかけない」という表現も。

しかし「歯牙にもかけない」ような態度をとられてしまうとなんだか悲しい気持ちになってしまいそうですね。

この言葉には「歯」や「牙」が使われていますが、どのようにしてこの言葉はできたのでしょうか。

次は語源について見ていきましょう。


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歯牙にもかけないの語源とは?

まずは、それぞれの言葉についてです。

「歯」や「牙」の説明は不要だと思いますが、ここで言う「歯牙」とは「言葉や口先」を表しています。

ですので「歯牙にもかけない」は「言葉や口先などをわざわざ取り上げないで議論の対象にしない」ということになります。


「歯に衣着せぬ」(言葉を飾らないで、ずけずけと物を言う)など「歯」を使った表現は、他でも良く見かけることからも「歯」は話の内容などを表すことが多いようですね。

肉食動物が獲物を取る際、自分の牙にかけるまでもない(ほど獲物の価値がない)ことに由来するものかと思いましたが、あまりそういった意見は見受けられませんでした。

ですので「歯牙」は「言葉や口先」のことを指すということを抑えておきましょう。


歯牙にもかけない

歯牙にもかけないの使い方・例文

実際には冒頭部の例のような使われ方がされるのですが、他の例も挙げてみますと

  • 世間のうわさなど全く歯牙にもかけなかった
  • 彼は歯牙にもかけずに黙々と作業をし続けた
  • 社長は私の意見など歯牙にもかけないだろう



などという使い方ができます。

どの場合も「自分が言われたことに対して全く気にしない」ということが確認できるかと思います。


また「目の前にあるものを困難であると捉えずに軽々と突破する」という状況を表す時の例を挙げてみましょう。

他の人達はテストを解くために苦労している中、もともと得意分野であったのか昨日の一夜漬けがたまたま当たったのかはさておき、すらすらと解答できていた場合。

「みんなが苦戦している中、彼だけは歯牙にもかけずにテストをさっと終わらせた」という表現ができます。

周りはとても焦ってしまいそうですけど…


では、誤用についても触れておきましょう。

「歯が立たない」という表現も良く見かけますが、こちらは「自分の技量を超えているため、とても取り組むことができない」という意味になりますので混同しないようにしましょう


最後に英語での表現方法について見てみます。

英語では「take no notice~」と表現し「~を歯牙にもかけない」という意味になります。

「take」は「取る、捕らえる」「notice」は「通知、通報」という意味を持ちますので、全体では「全く関心を持たない」いうことになります。


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まとめ

いかがでしたか。

「歯牙にもかけない」の意味や使い方などについて見てきました。

ポイントとしては「歯牙」は「歯」や「牙」を直接的に表すのではなく「言葉や口先」を表現しているということ、それを受けて「全く問題や相手にしない」という意味になることが理解できたかと思います。

ですので「歯牙にもかけない」という表現を使われる人は「ちょっと偉そう」などというイメージがありますよね。

自分が「歯牙にもかけない」ような態度を取ってしまった場合、周りから「あまり良く思われていない」可能性が出てきますので注意が必要です


しかし、この言葉は冒頭部のように「相手の求めていることに対して明確に答えることができなかった」場合にも使われることもあります。

その時は、言葉の意味を再確認するとともに、自分にも落ち度はなかったのかということに対しても考えてみる必要があるのかもしれません。


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